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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

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2011年8月31日 »

元々イベント屋としての経歴が長いし、常に「その場に居合わせた感がイベントの根幹である」という主義主張を持っているんですが、諸々の事情と知人の尽力があって27日土曜日に御殿場の東富士演習場まで出かけて見に行った陸上自衛隊の平成23年度冨士総合火力演習は、いろんな意味でそれを自分自身の問題として再認識させるのには十分だったよなと改めて感じています。

少なくとも私自身にとってはそれくらいの衝撃がありました。

 

私自身は自衛隊の存在や活動内容を応援するという立ち位置を取っているのを踏まえつつ

3.11の震災以降いろんな意味で自衛隊という組織に対する評価が変わってきている気がするのですが、行政組織などと同様に国家というものを説明する理論上の話として根本的には暴力装置たる国家の根幹の1つを担う組織である事には変わり無いわけです。それは個人の思想なり何なりとはまったく別なところでの国家の成立理論における立ち位置の話であり、その存在自体を否定することは今の世界の中で不可能であることはやっぱり事有るごとに再認識する必要はあると思うんですね。

で、今回初めて総合火力演習の場に居合わせたわけですが、たとえば自衛隊の装備そのものもそうだし、たとえばテレビやら何やらの映像とか写真で見る世界各国の騒乱状態の場がどのようなもので構成されていてるのかというのは、やっぱり判っている様で判っていないわけです。あくまでもテレビの画面なり写真のフレームなりで切り取られた世界を覗き込んでるだけで、体感するものはそこには無い。それに対して、総合火力演習の場では目の前で各種車両が走り回り、隊員も走り回り、ヘリが飛び回り、銃弾やミサイルが(もちろんはるか遠くの目標めがけてですが)飛び、榴弾や迫撃弾が数キロ先の山肌で破裂し、気が付くと目の前100メートルくらいのところで戦車砲が発射されるわけです。そして、それらの全ては当然ですが、テレビのスピーカーから出てくるリミッターの効いた音ではなく剥き出しの音。そして衝撃波。たとえば数キロ先の山肌の着弾の衝撃が何十秒かかかって音と衝撃波として体に飛んでくるわけです。

個々の部分だけで言うと、一番わかりやすいのは花火大会での大きな打ち上げ花火の音と衝撃だと思って基本的には間違いないのだけれど、その感覚はやはり花火とは違う。戦車砲に至ってはうっかりしてると後ろに吹っ飛びそうなくらいの音と衝撃波だし、目の前を通り過ぎて観客席上空をかすめるアパッチやブラックホークなどのヘリを見上げたときの感覚は映画を含めた映像からは伝わってこない。でも、多分これから映画などでそういうシーン、それはたとえば戦争モノではなく警察モノなのでも同じだろうけど、頭が理解する感覚というのはまったく違うものになるんだろうなと言う確信があるんです。

 

本質的には私が深刻がる必要はどこにも無いんですけれど

基本的にはミリオタに属する自分だけれど、海外などでこれほどの火気が実際に使われる現場に居合わせたことはないし、自衛隊への入隊経験もないし、もちろん警察やら何やらという法権力執行機関に属した事も無い自分としては、たとえ公開訓練であるとしてもこれだけの火気が単純な展示ではなく、ましてや模造品でもないものが実際に使われる場に居たのは初めてで、そこで感じた音や衝撃波、もちろんそこできびきびと動き回る隊員の姿を見たときに何も得るものが無いなんてありえない話だったりするわけです。

百聞は一見にしかずとはよく言ったもんです。

たとえば国内であれば、その自衛隊という組織の存在意義やら何やらに対して色んな意見があるのは勿論理解しているわけです。そしてその一方でたとえばアフリカ北部だったり、中東だったり、もちろん東南アジアやらどこやら世界中でこのような組織なり装備が色んな形で使われる場があるわけです。もちろんそれ自体を否定するのは簡単だし、そんな事が起きなくなる世界というのは正しい姿なのだとは思うんですね。これは多分正しい。でも、それらの力が無いとどうしようもない状況があるし、中には数百年以上もの歴史的経緯を踏まえてお互いに妥協することが出来ない関係におかれた当事者が争っているところもある。これは間違いないし、多分それが今後10年とか20年とかで全部無くなるなんてのは幻想な訳です。そして、その場でいざ事が起きたとき、そこでは本当に轟音と衝撃波と、そして目を覆いたくなる事が起きているわけです。これも事実。報道されようがどうであろうが、それは事実なわけです。受け入れようが目を背けようが、それは事実なわけです。

 

主義主張、そして現実感

何を肯定し、何を否定するのかというのはその人の信条に基くものであってそれ自体をとやかく言うつもりは、少なくとも私にはありません。ただ、過去の日本の歴史も同様で、何らかの場に居合わせた人の伝えたものをどこまで受け止める事が出来るかというのはとても難しいんだろうなというコトを改めて感じたんですね。たとえばこれがビジネス上の展示会とかも全部含めてその場で何が起きているかということを伝える役割の人がいて、あるいは伝えたい人がいて、その人がどれほど言葉を尽くしても伝えきれない事はある訳です。もちろんその人なりのバイアスがかかるし伝える場が持つバイアスなり制限なりもあるので、本当のところはどうなの?というのを追い込むのは難しい事があるわけです。これは自分自身としても、いわゆるビジネスの現場で何度も経験しています。だからこその「その場に居合わせた感」というのを凄く大事にするし、その場に居ないと伝わらないものはあるし、一度でもそういう場を経験すればそれ以降の情報の理解にも凄く違いが出るのも理解しています。だからこそ「その場に居合わせた感」が大事だと思っているわけです。

バーチャルな世界での体験というのはバーチャルな世界だけの話であれば結局どこまで行ってもバーチャルな訳で、どこをどう表現しようが実体感が乏しい。これはもう仕方が無い。

 

じゃぁ全部が全部を自分で経験できるか?いや、それは無理。

でも、何かしら感じる事ができるのであれば、少なくとも自分の身に危険が及ばないのであれば、主義主張は全部おいといてその場に出かけるべきだよな、と改めて思った次第。当然主義主張はあると思います。許せない何かがあるかもしれません。頭ごなしに否定する姿勢も否定しません。ましてや自分の身を危険に晒してまで何かするべきだとも言いません。でも、それらを何かしらの形で学ぶ事自体を否定する必要はないとは思います。少なくとも私はそう思っています。

 

人それぞれの受け止め方はあると思うのですが、私個人としては1人のミリオタとは違う事を考える自分を見つけた土曜日、となったような気がします。いや、まぁ、私の勝手な思いですけどね。

 

bibendum_iwa

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岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

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