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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

« 2011年5月28日

2011年5月30日の投稿

2011年5月31日 »

人間誰しも24時間という同じ長さの1日を過ごすわけです。たとえば6時間睡眠とするとのこりは18時間。この間に何を見る事が出来るのか、何を聴くことが出来るのか、何を読むことが出来るのか、そしてそこから何を吸収でき、何を考えられるのか、そして何が出来るのか。もちろん早い遅いはあるわけですが、それでも持ってる時間は同じ24時間。でも、今日の24時間の前には年齢なりの過ごして来た時間があるという、当たり前の話があるわけですが。

 

昨日までの時間の上に今日があるという当たり前の事実

もちろん今日起きていることは今日起きている事実だとは思いますが、そこに至るまでに必ず経緯があるよねという話を知人とすることがあります。いわゆるコンテクスト。そしてそもそもに立ち返ってみたときに、物事を判断する基準や条件は当然過去のことですから今現在目の前にあるモノとは異なる訳です。それらの前提が間違って今があるのであれば修正すればよいし、途中で気が付いたのなら勿論その時点で修正すればよい・・・筈。

ただ、世の中そんなに単純ではないので、一度決めて進みだした物事を止める事が、実は最初に決めるときよりも多大な労力を要する事があるのも良くある話。ただ、途中で軌道修正する方法を決め、その段取りを途中途中で踏まえつつ物事を進めるという「段取り自体」を決めるという部分が欠落する事があったりします。

それこそ、決めるときにはわ~いとみんな寄って来て好きな事を言うわけですが、そのうち物事がある程度進行すると、なんとなくフェードアウトしてしまう状況って、多分誰しも人生の中でそれなりに経験していると思います。あるときは気が付いたら取り残されている側に、そしてあるときは体よくフェードアウトする側に。でも、物事が進行している以上、誰が何と言おうがそこにいたる経緯と時間と労力が何かしらあって今があるというコトは常に忘れてはいけないと思うんです。

 

歴史は勝者が書く

過去の評価もそうですし、未来の予測についても同様だと思っています。もちろん物事に対する検証は色々な立場や状況において必要ですが、単純に過去の評価を今の軸に照らして「間違いである。一体あのころ何考えてたんだよ、このボケ!」という無責任さを売り物にしてはいけないし、更に「未来はコレしかないんだ。余計なことを考えるな、このボケ!」と更に無責任さの上塗りをするべきでも無いと思うんです。

もちろん過去からのコンテキストの流れから生まれる必然性というのはあるでしょうし、そういうものを感じる瞬間というのはあるわけですが、過去の歴史においても同様にその時期にはそういう風に感じられる流れがあったわけです。それを全否定するなら革命を起こして社会体制を全く変えるしかない。

もちろん色んな状況を踏まえて一度過去を完全に清算するようなことが必要になることもあるとは思います。でも、それはそれなりの大きな痛みを伴うことを同時に覚悟する必要もあるわけです。明治維新しかり、太平洋戦争終戦時しかり。もちろん今のこの状況を考えるに過去の余りに今とは異なる社会状況や諸々の情勢をそのまま参考にする事はできません。

でも、歴史は勝者が書くものである、という格言を忘れてはいけないはずです。

 

何を見てきたか、何を聞いてきたか、誰と話をしてきたか、何をしようとしているのか、そしてそれを判ってもらうべき人にキチンと判ってもらえるようにしてきたか

常々、私はコミュニケーション系の経歴、もっと狭くするとマーケティング・コミュニケーション系の経歴を長く持っているといい続けて居ます。勿論それ自体は事実で、私の社会人人生の中の半分以上、兼務を含めると多分20年近くはそのような事に携わってきています。当然そこでのミッションというのは誰かに話を聞いてもらい、必要な理解を得る事。

もっとも、役割としては誰かがその裏側・・・いや、私から見ると裏側なんですが、正確には表に立って何かをやろうとしている人なり組織なりがいるわけで。その代弁をするというのが一番大きなミッション。代弁する以上は本論の邪魔をするというのは許されませんし、虚偽のメッセージを出すというのは信義にもとる話として現に慎むべきものであるというものが意識の奥底に刷り込まれています。そして、そこに思い至るまでにそれなりに色々とやってきましたし、それなりに怪我もしてきましたし、色んな事を考えてきたのも事実。そりゃそうです。だってそれで給料を頂いてきたわけですから。逆に自分の経験の無い部分については(色んな理由で知ったかぶりする以外に無い事もあるとはいえ)素直に教えを請うという姿勢も忘れちゃいけないと思っています。

でも、そんなのは誰しも当たり前で、それぞれのやっていることに対してそれなりに知見があり、それなりに経験があり、それらを踏まえて考えて物事に対しているわけですから、そんなのを高らかに謳い上げる種類の話ではないはず。いわば大人として当たり前だと思うんです。

 

「7億いるらしいお友達」は自分のお友達じゃないし、流れてゆくネット上の発言それ自体も自分のお友達ではない

綺麗な話だけを高らかに謳い上げて物事を飾るということをどうしてもやりたくなる瞬間というのは、人間だれしもあると思います。たんなる大口を叩くレベルであれば良いのですが、それが社会システム全体に及ぶときにはチョイと事情が違う。

じゃぁキチンと時間をかけてキチンと議論して物事を進めましょうよという正論があるわけですが、問題はそこで議論される内容を理解できるだけの基礎知識を話を聞く側が持っているかどうか。もっていないなら勉強するなり権限に基いて判断を委譲できるかどうかってところが、それこそ個人のレベルから企業、果ては政府組織なり国際間のやり取りなりの中でも当然あるわけです。

だって持っている時間はみんな同じ。その時間を専門領域に費やしてきた人に素人が勝てるわけが無い。基本的には。もちろん周辺の関連する情報を元々持っていれば発展系として理解できる事もあるとは思うのですが、基本的には無理。逆に自分は他人の理解を超えるような専門分野があったりして、これを誰かに「そんなの誰でも知ってるよ」とやられると何だよこの野郎となるわけですが、冷静に考えるとそこは同じです。

でも、じゃぁ何を知っている人たちと話をしているのか、どこまで自分が理解していてどこから先が判らないかを理解しているのか、何をしようとしていてそれは専門家からどのように評価されているのか・・・

 

人それぞれ立場があり、立ち位置があり、周囲からこう見て欲しいという部分があるし、こうしたいと思うところは少なからずあるだろうし、ここまでならできるぜみたいな所もあるわけですが、自分の事に立ち返ってみたとき、いろんな事を相談できる、そして褒めるところは褒めてくれ、駄目なところは何故何が駄目なのかというようなところをキチンと話ができるいろんな知人友人単なる知り合いなどなどのネットワークが本当に大事だよね、というコトを改めて感じたりします。

そうじゃないと、耳障りの良い話しか耳に入らなくなりますから。

bibendum_iwa

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プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

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