THE SHOW MUST GO ON:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) THE SHOW MUST GO ON

通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

« 2011年5月18日

2011年5月19日の投稿

2011年5月20日 »

たとえば「もしドラ」。乱暴に言うと野球部のマネージャーと野球部という立ち位置を通して「マネジメント」を勉強しようぜという話な訳ですが、読者なり視聴者の目線は基本的にマネージャーに注がれるわけです。そりゃそうです。そういう主旨の作品ですから。

でも、これはマネジメントの話ですから、マネージする側のほかにマネージされる側という立場があるわけで、「もしドラ」の世界ではそれが野球部員であるわけで・・・

 

マネージされる側の視点という考え方

実はこの手のマネジメント本と言うのはある意味ネタ帳の一つだと思っているのですが、ある人が誰かのマネジメント論に傾倒してるのがわかれば逆にそれに対する対処方法と言うのが出てきたりするわけです。もちろん実社会で何かしらの理論だけで物事が進む事は少ないですが、それでも基礎知識の部分をどういう流れで得ているかというのが判ればその人の行動原理の基本的なところがわかってしまう。

そう。ネタバレするんです。

御存知の通り、誰しも何かしらの人なり組織から管理される立場があります。たとえ自分の腕一本で超巨大企業になるまで育て上げた創業者であっても、社業を一歩出れば何かしらあるはずなんです。同列かもしれません。上の立場の人や組織があるかもしれません。いずれにせよ、世の中の絶対権力者で無い限り、必ずそういう立場がある。勿論一般的な立場として、誰かしら何かしらをマネージする立場と、誰かからマネージされる立場がある。でも、この手のマネジメント本はマネージする側の理論を伝えるのが基本なので、マネージされる側の立ち回り方というのは所謂処世術的な話で成立するわけですが・・・

いずれにせよ、ネタバレしちゃうと対処方法を考えられちゃうところが無いかと言うと、そんな事は無いと思うんですよ。中国の諺みたいなやつで「上に政策あれば下に対策あり」みたいなところまで含めて。

 

そんな視点で世の中を見てみるとですね

たとえば嘗てのアメリカの政権内でそれなりに力を持った「ネオコン」と呼ばれたクラスターは非常に判りやすい行動原理を持っていたわけで、実際政策にかなり色濃く反映されたのは事実。

たとえば嘗てのソビエト連邦や中国における党支配も基本の行動原理というのがはっきりしていたお陰で、内部の権力闘争はともかく方向性としてそれほど大きくぶれることなく外部から予測できたりしていたわけです。

ほんでもってたとえば日本の過去から今までの経済界や政界での動きってどうよ?っていうのをぐるっと見てみるとですね・・・ と言い出すといろんなところに敵を作りそうですが、それぞれのPlayerがどういう氏素性を持っていて、そもそもどういう行動原理を持っていて、その周りのブレーンとして本来どのようなクラスターがあって、それを踏まえて現在はどういう方向に行きそうなのか、みたいな話。別に私自身が何か良く知ってる筈もないですが、今の状況から感情的に「何やってんだよこいつら絶対何か隠してるぜ嘘ついてるぜ信じられないぜキ~っ!」とかならないように出来ているのはこのあたりを冷静に見ようとしてるからかもしれません。

 

まぁ難しい事は置いといてですね

強引にぐるっとマネジメントのお勉強の話に戻してくると、たとえばアニメや映画、もちろん文学などの世界とかだと主人公じゃなく脇役に惹かれることってのは誰しもあります。ストーリーに入り込ませるのが基本ですから、そこに自分自身を投影しやすい。それに対して「もしドラ」はいわゆるビジネス書とは違う立ち位置だとは思うんですが、例えば主人公の配下として動く脇役への思い入れと同じ目線で野球部員に自分を置き替えるって、なんだかちょっと難しい気はします。少なくとも私は。

それに対して、(そういえば最近はあまり読まなくなりましたが)嘗て貪るようにマネジメント教則本とも呼べるような本を限りなく読んだ時期がありました。ここで得られるのは基本的にマネージする側がどういう姿勢でいるべきなのか系の話が基本。そこでのマネージされる側に関する話というのは人的資源管理的な話からスタッフワークのモチベーションをどのように維持するかチームとしての総合力をどうやって発揮するかとか言う話が基本で、どのように管理されれば良いのかみたいな話なんて出てきません。そりゃそうですが、そこがエンターテイメントと理論の話との違いですよね。

因みに個人的にはそこから派生して元々嫌いではなかった軍隊組織の運用なども含めた組織論、プロジェクト運用論、地政学的な知識としての中世史から近代史などと進んだ時期があったのですが、今考えるとあの頃は本当に本をよく読みました。いや、別に数ヶ月とかじゃなく年単位の話なんですけどね。もちろんそんな事を昔話としてシミジミと言う前に今でも本を読めよという話は当然ありますが、何しろ近視+乱視+老眼のトリプルパンチが辛くてですね・・・ (すいません。ただの言い訳です)

 

で、私自身のそういった過去の勉強は多分何かしら今に役立っているはずなんですだと思っています。きっと。多分。あまり自信ありませんが(笑)

とは言えたいして偉くもなっていない自分を引き合いにこの手のマネジメント本を「管理される側に対するマネジメントする側のロジックのネタバラシ」だと言ってしまうと、自分自身の主体性から何から微妙な感じがしてきちゃいますけどね(笑)

bibendum_iwa

« 2011年5月18日

2011年5月19日の投稿

2011年5月20日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
showbiz
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ