THE SHOW MUST GO ON:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) THE SHOW MUST GO ON

通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

« 2010年9月15日

2010年9月17日の投稿

2010年9月20日 »

不肖岩永、これでも通信事業の末席で禄を食んでいるわけですが、色んな流れの中で色んなモノが見えたりすることがあるわけです。たとえば、通信インフラに極端に依存しすぎてしまった後でそのインフラ自体が機能しなくなった事態に遭遇したとき、さて、どうなるんだろう?とかは、普通に考えるわけですが・・・

 

9月1日の防災の日の訓練の報道にみる、通信インフラの重要性と、通常の位置づけとは違う信頼性の問題

大規模な地震災害に対する防災訓練として自治体や警察、消防、そして自衛隊などに加えて、今回は正式に訓練に参加したNGOの人のインタビューを見て思ったのが、「素晴らしい通信インフラと設備があれば状況は直ぐに把握できるし、いろんな意味でとても勉強になります」という主旨の発言の後のコメントだかなんかで、「ただし、その素晴らしいインフラがどの程度生き残っているかというのは別の話なので、実際は大変だろうなというコトも改めて考えた」という主旨の発言も耳にしました。

これ、正直話、その通りだと思います。それこそ、基本的に自分たちの行動に必要な装備を自分たちで持って完全に自律組織として何処にでも動ける余力の非常に大きい自衛隊のような組織ならともかく、そもそも自治体から何から、通信事業者や自分たちで運用しているインフラを利用することが前提なわけです。でも、特に地震などの災害時には多かれ少なかれ被害は受けます。地域が停電すれば通信ネットワークもブラックアウトします。無線ならば基地局とアンテナ、有線なら架線が損傷を受ければ復旧までは使えません。でもそれらが一番必要とされる初動の30分、3時間、3日間にどれだけ利用できる状況におけるかというのは正直判らないところがあります。

もちろん、色んな人が可能な限り頑張るとは思うのですが、でも判らない。判らないなら、それがあればここまで出来るけど、無いならこういう方法が出来るぞというコトを日ごろから訓練していないとどうしようも無いわけです。便利さに慣れてしまうと前を忘れてしまう事は良くあるわけです。

 

オンラインが止まったら仕事が出来ないぞ

話をぐるっと変えて、たとえばITの世界でのたとえで言うと、どこでのトラブルかは別にして、自分の目の前のPCがサーバーなり何なりに繋がらなくなったら全く仕事が出来なくなる人ってのは本当に山のようにいると思います。かく言う私もその一人で、「Twitterが止まったら呼吸が出来なくなる」なんてのは半分くらい冗談だとしても、メールサーバーに繋がらない、LANが切れたみたい、PCが壊れた・・・ ありとあらゆる危険性がそこに潜んでいるわけです。

残念ながら仕事上どうしてもこれが使えないと本当に何も出来なくなるっていう種類のモノもあり、たとえばメールのシステムについては正にインフラの王様かもしれません。でも、それ以外の業務アプリケーションのサーバーが止まったりすると、実際のところ仕事は止まりますが、メールだけ動いてればまぁそれなりに片付ける事はあるわけで・・・

でも、既に大昔の全て紙がベースであった時代に戻ることは簡単ではありませんから、これはかなり依存症が高いエリアと言えるわけですよね。

 

で、更にもっといろんな事が起きると想像できるんですが

こんな事、起きそうだよねって話題としてですね・・・

  • 現金なんか殆ど持っていないのにお財布ケータイが水没したので電車にも乗れなければコンビニでお茶を買うことすらできません。
  • 出席情報はケータイの位置情報とリンクしているのですが、学校のWiFiがおかしいので出席が取れません。よって休講にします。
  • サーバーがDoS攻撃を受けたので、電子書籍新刊の配布(というか発売)は当分延期にします。

↑これらは、たまたまそういうネタをTwitter上で知人と話しているときに思いついたというか出た話題なのですが、こんなのが日常起きる危険性を持っているわけです。

実際のところ、ケータイに殆ど全ての自分にとっての関係者の連絡先が入ってる私の場合、ケータイを忘れて外出してしまうと、指が覚えているカミさんのケータイと自宅の電話以外に連絡を取ることができません。退化が甚だしい。

でも、今更全部を手書きなり何なりのアドレス帳に書き直すのも無理です。それはそれで危険極まりない。でもそれ以前に細かい文字が読めないという老眼の進行状況が・・・ 

 

デジタルの世界、いろんな種類のネットワークが張り巡らされて色んなモノが便利になってるわけですが、それに依存しすぎると後戻りできなくなるってのもあるよね、というコトを思いつつ、じゃぁどうしたらいいんだろう?

bibendum_iwa

« 2010年9月15日

2010年9月17日の投稿

2010年9月20日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
showbiz
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ