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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

« 2010年6月1日

2010年6月3日の投稿

2010年6月4日 »

amazonのKindleはいわゆる電子ブック。そもそもの氏素性はiPadとは異なります。それをamazonが書籍のデータと共に売るというところにひとつの大きなビジネスモデルがあるわけですが、ついに直販だけではなく店頭売りが始まるようです。

 

全米で1740店舗を展開するターゲットの店頭で買えるというこの話。元々書籍のデータ自体はダウンロード販売ですから、買う人が何かしらネットワークに繋がるインフラが無いと使えないわけですが、amazonのサイトだけが唯一の販路である以上、ユーザーへのリーチには自ずと限界があるわけですよね。

 

オンラインが主戦場のamazonに見える自らが規定した市場のサイズとリーチ

で、買ってからはオンラインで書籍データは買ってねという部分はあるにしろ、店頭を含め複数の販路でガンガン売りまくってるiPadの状況を見ているとヤッパリこれは不味いよね、というコトで始めたのかなと思ったりします。

まぁ最終的に書籍のデータが売れたら良いんだろうからと思う反面、HardwareとしてのKindleを売る部隊もamazonの中には居るわけで、iPadやiPhone用に無節操にデータだけ売られても困るよという事情も何となく見えてきます。

 

  • ハードウェアの部隊から見るとソフトウェアは何でも良いよという立場。
  • ソフトウェアの部隊から見るとハードウェアなんて何でも良いよという立場。
  • 両方がある一定のバランスで売れてくれないと困る経営の立場。

 

凄く乱暴に分類するとそんな図式が見えてくるわけですが、売る側に居ないというお気楽な立場からすると、何であれ選択肢が広がるのって悪い話ではないよね、という風な受け取り方が出来ます。一応。

 

え?何で一応かって?いや、そのあたりのカニバリが最終的に市場の中でのプレイヤーを減らすところまで突っ走ってしまうと最終的に選択肢が狭まるので、あまり極端にならないで欲しいなという思いがそこにチラッと・・・いや、そんな業界や商材が意外とあるもので・・・

 

bibendum_iwa

広義のハードウェアにしてもソフトウェアにしても、あるいは組織にしても、何かしらある一定の目的や守備範囲を事前に定義して設計されるものだと思っています。凄く乱暴かつ極端な話、たとえば兵器の世界だとある特定もしくは非常に狭い範囲での使用目的を定義し、そこで最大の効果を発揮する(と規定できる)性能を持たせるという努力をするわけです。逆に汎用品、それこそ一般向けのPCなどを見てみるとユーザーの使用目的や利用する場などは非常に幅が広い。その中でも有る一定の範囲を定義してカタログモデルを作り、それで収まらないところをカバーする意味でBTOなどの提供手段が用意されるわけです。

本来カタログモデルっていうのはいわば汎用品。でも汎用品と呼ばれるものですら、ある一定の枠があるという考え方が出来るんじゃないかな?と思ったりしてるわけです。私の場合。

 

一定の判断基準や価値基準が変わらないという「製品」ってあまり無いんじゃないかな?

素材レベルで言うと、必要とされる性能が担保されるのであれば例え設計が旧くても長く生き延びるものって言うのはあると思うのですが、これが最終的な「製品」という形になった場合、当然求められる利用方法や要求レベルの変化に応じて陳腐化する訳です。数年前の最先端っていうのは数年後には博物館入り的なモノになるのは当たり前。そんな流れはもう太古の昔からあるわけです。それが広義のハードウェアにしてもソフトウェアにしても、あるいは組織にしても。

 

変化する事に直面したとき、それを正視できるかどうか

たとえばiPadなり何なりの大騒ぎは間違いなく何かの流れのひとつを作るものだよね、とは思います。自分的に実はiPhoneすら持っていない(いや、いわゆるスマートフォンは持ってますけど)私としては、内容についてはよく判っていますが、それが自分の生活の中でどう生きるのかが今のところ、少なくとも今まではあまり見えてなかったんです。別に意固地になってる話ではなく、単純にそういうことです。

ただ、そのアタリの流れってのは自分でも変化してくるわけで、自分の中、そして周囲の変化を眺めつつ、さてどうしよかな?と考える事が最近ちょっと増えてきたかな・・・と。とはいえ、これは非常に個人的な部分。

 

ただしもっと大きな変化が身の回りに起きるとき、それを直視できるかどうかってのはちょっとレベルが違う話なわけで

それこそ政権交代や昨日の首相の辞職、そしてそれを受けての世の中の動きなんてのは非常に大きな変化であるわけですが、直接的に自分に何が影響するかってのを感じる事はそれほど多くはありません。もちろん行政の動きなどの変化から感じる事はありますが、比較的長いスパンで動くもので、急激に何かが変化するという種類のモノではないよね、と思っています。せいぜい小学生の子供が2人居るので、子供手当ての申請してね~というお手紙が市から来たとか、そんなところで感じるくらいでしょうね。

ただ、自分自身の生活の基盤の部分で変化が起きると、これは状況によってちょっと慌てるわけです。一応(というかなぜか)現状は通信事業における特殊部隊を自認する私の場合、日々の情報収集には腐心しているわけで、全く何も判らない状態で何か起きることってのはあまり無い(と思い込んでる)訳ですが、展開に驚く事は実際にあります。これは仕方ない。自分が本当に当事者であればともかく、ある意味傍観していないとだめな状況だと、どうしても途中経過をネグって結果だけが目の前にドカンと出てくることもあるわけです。

でも、それを直視して「自分が」前に進まないといけない立場であることを認識したときには、もう逃げられない訳です。そうなると逆に「特殊部隊魂」が頭をもたげてくるわけです。

「特殊部隊は戦場を選ばない。目の前の事態には即応するのだ。そのための訓練は死ぬほど受けてきたのだ。」

まぁココまで気負わなくてもいいじゃんって話もあるんですけどね(笑)

 

bibendum_iwa

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プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

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