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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

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2010年5月25日 »

USTREAMやらYouTubeやら何やらで映像配信をみんながガンガン始めるといろんなことが起きるぜ論が渦巻いている昨今ですが、私的には流す媒体(メディアですね)が何であれ、最終的にはコンテンツでしょ?という風に思っています。

たとえばYouTubeに一日にUploadされる動画コンテンツを全部見た場合、単純に見るだけで何年かかるんだよという話があるくらいな訳ですが、逆に言うと正直その大半が誰にも発見されずに終わっても仕方の無い状況な訳で、これはかつての出版業界のように、流通経路がしっかりしている大手出版社の後ろ側にあった小規模な出版社や自主出版の山と構造的には余り変わらない気はしています。

 

現在は紙のみの世界とは違う情報への到達経路ってのはもちろんあるわけで

もちろん何らかの方法を使って個々のコンテンツにたどり着く方法は、以前の紙ベースの媒体に較べると圧倒的に変化していますから、誰かが何かの拍子にたどり着く可能性というのは明らかに増えているとは思います。

ただ、それらのコンテンツの多くは何かしらの継続性を意識しているものではありませんし、必要なコストをかけて商業ベースで作ったモノ=それなりに鑑賞に堪えるものと言うのもそれなりに限られてくるものだとは思います。

もちろん、色んな人が今現在使える手段の中で色んな表現をする事自体を否定するものではありません。でも、なんだろう、どうなんだろうって思うところはあるんですよね。

 

で、そんな中で、こんな記事 

http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_63611

因みに、この記事を日本の映画や放送の状況の理解のまま、同じ軸で見てはいけないんです。たとえばテレビのインフラが電波ではなくケーブル局が中心であり、かつ固定系の通信事業者も一緒になって、映像配信系サービスまで含めていわゆるトリプルプレイ(音声通話、データ通信、映像配信)という形で提供するのが1つの基本形になっているというコトです。

因みにそれらが全部デジタルかどうかもサービス提供事業者の事情によって異なりますから、そこも注意が必要です。

いずれにせよ、日本とはちょっと違うインフラの使い方がそこに既にあって、そこに流すコンテンツとして何を差別化できるかと言うところが生死を分けるところという部分で勝負をしているんだというところが肝。

 

でも、姿勢自体はとてもインパクトがある話な訳で

何しろ、映画業界の収益構造を根本から変える話になります。現在の映画(そしてテレビのドラマもそうですが)は、公開されている時点での収入だけで喰えるわけも無く、その後のDVDなりオンデマンドなりでのコンテンツの販売が非常に大きな割合を占めているわけです。

そこを一体だれがコントロールするのか。これは制作側だけではなく、流通側も含めた業界全体の収益構造に触れる話なわけです。

で、本当にこれが実現するのかどうかっていうのはその後の状況を見ないとよく判りません。でも、たとえば通信事業者なり何なりがゴチャゴチャ言う以前に、コンテンツを作る側がいきなり刀を抜いたみたいなところもあるわけで、何かしら大きな動きが来るんだろうなと思えるわけです。

ということで、個人ベースでのコンテンツ配信などとは違うレベルでの、「金になるコンテンツを誰が作れるかっていうのが勝負じゃないのかな?」っていうところに絡んでくるんじゃないのかな?と睨んでいるのですが、残念ながら私自身はコンテンツ側の業界に居るわけではないので、その動きを見つめつつ、さてさて・・・ 

 

bibendum_iwa

いわゆる先進国と呼ばれる国である意味共通な問題として、人口の高齢化の話があります。出生率の低下、低成長化における国家の収入の低下などと、年金システムの維持とのトレードオフの話。もちろん日本でも同様の事が言われているわけですが、ヨーロッパでも先のギリシャやポルトガルなどの経済状況や、元々そこにあるスウェーデンやドイツなどの問題が解決策の無いまま推移しているという状況は他山の石とする訳にも行かない話な訳で・・・

 

それなりに海外の色んな状況を直接拾っていたりするんですが

TwitterのTLで見つけた知人のTweetにあった、The New York Timesのこんな記事。

残念ながら全文英語ですが、要は各国それぞれ法定定年を延長するとか歳出をカットするとか、それぞれの状況に応じて策は打ちつつ根本的な解決策が見つからないという状況を解説しています。

正直な話、対策はともかく裏側の事情で言うと日本も大差ないわけです。たとえばこれらの国に共通しているのが、第二次大戦直後のベビーブーマーを抱え、その子供の世代がそれらを支えられるほど豊かではないという部分。

で、それを踏まえつつ、やっぱり恐ろしいのがこの記事のページでも引用されているこのグラフ。

要は一体何人で年金生活者を支えているかというグラフです。日本でも、現在も既にベビーブーマーの退職を迎える今後はちょいと真面目に取り組まないと社会システムが崩壊するぞという話は以前からありますし、社会保険庁の状況もあって早晩非常に面倒くさい事になるのはある程度見えているわけです。

その意味では個人として公的年金だけではなく個人年金をどのように準備するかっていうのは非常に真面目に考えなくてはいけないのですが、短期・中期的な経済状況を考えても単純な解は無い状態。でも何かしら備えておかないとという意識だけでは何もなくなってしまう。単に現在の支出を押さえるみたいな簡単な話でもありません。視点をどこに置くかですが、社会システム全体を見た場合、個人の貯蓄だけが全てでもない。

 

他人事ではなく自分の問題として、単純な生活の縮小均衡を目指すという話でもなく、たとえば自分が60歳、70歳、そしてそれ以上の年齢になったときの生活設計と言うものを、やはりそれなりにキチンと考えないといけないよね、というコトを改めて思った次第です。

 

bibendum_iwa

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プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

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