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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

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2010年5月13日 »

ネットの匿名性云々議論、選挙におけるネットの活用、報道媒体の事、そしてブログやらTwitterやら何やらまで含めて「そこで流れる情報ってどうなの?」という話が出ない日は無いんじゃないかと思う今日この頃。結局のところは情報の受け手側の判断が全てであり、それは別に今に始まった話ではないとは思っていますし、ひょっとしたら未来永劫変わらぬ話なんだとは思います。多分それは匿名実名に関わらず。あ、あくまで個人的には、ですが。

 

自分の中で変わらぬ信念?みたいなものとしての「話」に対する感受性の持ち方

情報の裏を取るというコトの重要性というエントリーで触れた話に通じるんですが、そもそも流れている情報をどういうものかと理解するのはその人の問題だと思うんですよね。もちろん、そのソースが実名なのか匿名なのか、自分が直接知っている人なのかどうなのか、ある一定の名前のある媒体からもたらされているのかどうなのかなどという違いは当然ありますが、それらをどこまでどのように位置づけ、受け取ったモノをどう解釈するかてっ言うのは基本的に受け手としての個人の判断によるものだと思っています。

そう思うと、別に匿名性がどうのこうのとか、既存の媒体がどうのこうのとか、あるいはソーシャルメディアだからどうのなんて事は二の次なるわけです。

実名だからといってある事象についてのすべてを話す事は出来ないし、全てを語ったところで相手に意図したとおり受け取ってもらえるかどうかなんて判らない。もちろん最低限理解して欲しいことを伝える努力は誰でもするとは思うのですが、文字にしろ言葉にしろその人なりの能力やらスタイルやら何やらがあるわけで、努力すればできるという種類のものでもない。

逆に匿名だからといって嘘だけが流れるわけでもない。確かに匿名だから流せる情報っていう種類のものはあるし、別のメッセージが入れ子になっていて必要な人だけに伝わるようなものが実は含まれているのかもしれない。

有名な媒体だからといって全てを忠実に伝えるなんてのはそもそも無理な話で、実は個人であろうが法人としての媒体社だろうが、あるいはソーシャルメディアとして存在しているものであろうが一定の立ち位置からモノを見、モノを語る訳ですから、受け手側がそれを許容できるか、理解できるか、そして共感できるかなんてのは別の次元の話です。

 

ソーシャルメディアと俺様スタンダードというものの存在

これは常にあるモノだと思います。個人としての立ち位置と意見。そしてそれに反するものへの反発。当然です。自分の嫌いな立場の意見は聞きたくないし、耳障りの良い話を聞くと嬉しい。そりゃ当然です。

それが仲間内の酒の席とかでワーワーと出てくるのは別に太古の昔からあるわけですが、それが人の目に触れる場としてたとえば脊髄反射のできるTwitterが内包するソーシャルメディアの一つの側面というエントリーでも取り上げたような世界が、Twitterにもあったりするわけです。

それ自体を良しとするか、嫌だなと思うかってのも含めて個人の意見な訳ですが、人の前で何かを言うときには好意的な意見と同じくらい、あるいはひょっとしたらその数倍の否定的な意見を受け止める必要があるのも事実で、これが実名で何か発言するというコトに対するハードルになっているとは思います。

事実、私自身がこのオルタナティブブログでエントリーを書くぞと決める前の逡巡の一番大きなところがこれでしたから。

 

電子出版やソーシャルメディアが暴く、実は何かを言うコトとは何かを受け止めるコトと裏腹であるという事実、そして自分が看板になったとき、それを自分が自分の責任として受け止めなくてはいけないという事実

手軽に色々と自分の思うところを世に出す手段としてのブログやソーシャルメディア。そして電子出版が下げるであろう「出版」という行為へのハードル。これはある意味言論の多様性を実現する非常に大きな役割を果たすと思います。

ただ、たとえば既存の「媒体」と呼ばれる企業や「出版社」と呼ばれるところはそれなりの立ち位置と責任を持ってモノを言うと同時に、そういった反動を受け止める一種のブレーカーあるいはバリケード的な存在であるともいえるんじゃないかと思ってたりします。

だからこそ、責められる時には責められるわけです。

でも、それが個人単位で色々と動けるようになってくると、そのブレーカーあるいはバリケードとしての役割を持ったものが無くなる、あるいは非常に薄くなるんじゃないかと思っています。。

そうなると、個人がそれを直接受け止めるしかない。これは今まで普通の人が経験したことの無い非常に大きなストレスになるはずです。実際のところTwitterでも、このオルタナティブブログでも、そして仕事の一貫としてやっているプレゼンテーションやなんらかの原稿書きにしても、ある一定の部分は自分で直接反応を受け取らざるを得ない場合があります。最初に想像もしない反応を受けたときは正直ビビるものです。でもその壁を何度も超えない限り自分の声として誰かに何かを伝える事は出来ないわけです。

 

誰もが色んな意見を言えるという環境は、誰もが色んな意見をぶつけられる環境でもあるわけです。結局のところは自己責任、ということかと。

 

bibendum_iwa

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プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

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