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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

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アイスランドの火山噴火による空港閉鎖、タイの騒乱の件、各所で起きる地震などの報道が続いています。その中で亡くなられた方へ謹んで哀悼の意を表するとともに、欧州などで足止めされている皆様には謹んでお見舞い申し上げます。

そんな報に触れる中で、ふと、2008年の9月に自分がタイのバンコクに展示会の運営のために行っていた時の事を思い出しました。たとえば現在各地で起きている事象とはもちろん状況が異なりますし、それぞれの地で対応できる事は異なる訳ですが、自分の中であの時自分はどう対応したっけ?ということをもう一度思い出すのは悪い事ではないよね、ということで。

 

2008年9月、バンコクの首相府周辺などに非常事態宣言が発令された、あのとき

今思い返すと、つい先日のバンコクの状況よりも余程落ち着いていました。ただ現地の言葉がわからず、オーストラリアやシンガポール、イギリス、あるいはアメリカなどの英語メディアによる情報が頼り。それに加え、参加していたITU TELECOM ASIAの各出展社がそれぞれ収拾した情報の交換も非常に大きな意味がありました。もちろん噂レベルの話は山のように飛び交い、海外経由で入手する情報とバンコク市内で入手する情報の違いに戸惑い、大使館とは連絡を取りつつも自分の身、そして自分のチームの安全を自分で守るしかない状況というのは、非常にストレスが大きかったのですが、でも、いろんな意味で勉強になったのは事実です。

そのときのエントリーが、これです。

2008/09/10 【ITU TELECOM ASIAから戻って】 危機管理と情報収集 前編

2008/09/11 【ITU TELECOM ASIAから戻って】 危機管理と情報収集 後編

で、実はこのときにエントリーに書かなかったことを幾つか補足してみようかと思います。

 

どうやって篭城するのか、どうやって脱出するのか

何しろ情報が錯綜していました。その中、エントリーにも少しだけニュアンスが伝わる程度には書いたのですが、実はゼネストが決行された、あるいは軍隊が動いた事が確認できた場合に備え、それに対応するための段取りはかなり細かく手を打っていました。実は現地では「戒厳令が出た」みたいな情報も一時期飛び交っていましたが、それに対応するために何をすればよいのか、何ができるのか、それ以前でもバンコク市内全域が騒乱状態になりそうな兆候が出たら何をするべきか、っていうオプションは山のように考えていたんです。

その一つが、エントリーにも書いたゼネスト決行に対応するための篭城策だったわけですが、そのほかに陸路で隣国(このときはマレーシアでしたが)まで脱出する方法なんてのはその一つで、実際に車両自体は手配もしました。当然ですが、航空会社の支店と定期的に連絡を取ることももちろん行っていました。

 

因みに篭城する場合には宿泊を延長する必要があるので、なんとなくホテルのフロントとは話を付けておいたのはもちろんです。

曰く「予約はそれなりに入ってるけど、空港が止まれば予約してる海外のお客さんは来れなくなるから大丈夫じゃね?」

なんとなくいい加減ではあるのですが、まぁ、タイですから(笑

 

大使館は何か助けてくれるのか?

ここは微妙です。騒乱状態になれば逃げ込むという方法も無くはないと思いますが、教えてもらえる範囲での外務省から流れてきた情報、そして現地のほかのルートからもたらされた情報の提供くらいだろうな、と最初から考えていました。結果から言うと幸いな事にそのときはその程度の依存度で済んだのですが、こちらからもそれなりに情報を提供する事もできはしました。

もちろん、バンコクであれば日本人会といった組織もあるとは思いますが、こちらはいわば一介の旅行者。そちらに無理やりお世話になるわけにも行きません。

そんだこんだで、とにかく自衛するしかない、というキモチ、そして手配、行動をしていました。

 

もちろん、これが他の事象に同じように当てはまるものではないのは重々承知です

国内であってもそうですが、言語も行動原理も全く違う海外で想定しない事態に遭遇してしまったときにどう対処するかというのはケースバイケースで、コレが正解というのは無いとは思います。

全てに対して備える事は出来ない。これは当たり前。でも、そうなったときにどうするべきなのか?ということは、色んな報に接したとき、あるいは普段の地震に対する備えと同じように、時々はちゃんと考えるということは大事だよね、と思ってます。

bibendum_iwa

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プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

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