THE SHOW MUST GO ON:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) THE SHOW MUST GO ON

通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

« 2009年6月5日

2009年6月8日の投稿

2009年6月10日 »

今日は世界ICTサミットの1日目に行ってきました。午前中のパネルディスカッションのセッション 1 「クラウドコンピューティングの台頭」モデレーターを担当されていた日経新聞社の関口 和一さんによると、申し込みの倍率はどうやら10倍位だったそうです。いや、ありがたい。

 

クラウドコンピューティングは確かに台頭している・・・んだろうな

正直自分がいわゆるITではなく通信業界、かつITの世界で言うとエンドユーザーの立場に身をおいているので、その具体的な動きが目に見えるかというとちょっと微妙な立場になります。もちろん仕事を通じて「何かをつなぐ」お手伝いをしているわけですから、用途の変化やお客様のニーズの変化は感じることが出来るのですが、なんとなく「どうなんだろうねぇ?」と流れを川原の土手から眺めている風ではあります。

もちろんニーズは良くわかります。オンデマンドで必要なリソースを使えるようにする仕組みについても理解できます。ただ・・・、20数年前に新入社員として入社したIBMで、当時の名称で言うと情報通信サービス事業部、その前はデータセンター営業部といっていた、リモートコンピューティングサービスの部門に居た私にとって、受託計算とプロセッサーの時間貸しの世界と根本のところではあまり変わらんなぁというのが正直な感想です。

何をわけのわからんことを言ってる?いや、当時の受託計算ってそもそものシステム化の企画からプログラミング、そして実際の処理まで全部やってたんですよね。しかも・・・

 

いまだに思い出すのが「処理のピーク時をカバーできる能力を持つ必要はありません」のくだり

当時、プロセッサーは非常に高価なものでした。たとえばいわゆる業務系での月次処理とかで必要なピーク性能をカバーできるプロセッサーを買うことが出来ない場合や、そもそもコンピュータシステムを運営することを良しとしないような環境においては、そのピーク分の処理、あるいは全部を私たちのデータセンターにお任せください、ということを営業品目にしていたわけです。

そうは言ってもワタシが社会人になった1980年代半ばにはすでにオフコンやら何やらが普及し始めていましたから、データセンターでの処理もある程度限られてきていたのは事実ですが、いまだになくならない。そもそもデータセンターのニーズは無くならない訳です。それが言い方を変え、微妙にやることも変わりつつ、やっぱり脈々と生きている、その流れを今はクラウドコンピューティングと言っているんじゃないかと思ったりもします。

ま、クラウドコンピューティングという概念はもっと違うんだという議論はそれはそれで全然受け入れちゃうんですけど。

 

ただ、その前にあった超並列やグリッドと同じ問題を抱えている気がする・・・んです

プロセッサー内部やローカルのネットワークで話が済んでいる間は何とかなる。でも、商用ネットワークが絡んでくると、すぐにその時代のネットワークサービスの限界を超えれなくなるわけです。

もちろん、そのためのネットワークをサービス提供側が用意できていれば何も問題は無いのですけれど、そんな状況は世界中どこを見ても存在しないわけです。そこは冷静に見なくてはいけない。事はアプリケーションのプログラミングやOSの話だけでは済まないんですね。すぐに社会インフラ全体の話になるわけです。

じゃ、どうなるの?

そこを冷静に見ないと、なんだかいろんなモノに対して非常に美しい誤解をしてしまう気がします。もちろん、夢が無いと何のイノベーションも生まれないんですけど。

bibendum_iwa

« 2009年6月5日

2009年6月8日の投稿

2009年6月10日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
showbiz
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ