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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

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かつて私が新卒で米国籍企業に就職した1985年当時は、いわゆる多国籍企業という表現が生きていました。そこもそう言われていました。実際そうでしたけど、たぶん今のほうがもっとそうなのかもしれません。そこを何年も前に離れた私には現状は良く分かりません。言葉自体も今では死語かもしれません。でも、そんな業態を持った企業というか事業体は大昔から常に存在していますし、今も存在しています。一方、昔から常に「グローバルな視点が必要である」とか「国際化の必要性が云々・・」と言われつづけている訳です。

なんでだろ?

 

ワタシ的にはこの部分に関してとても鈍いかもしれません

その米国籍企業で、それほど多くはありませんが何度か「これがインターナショナルなビジネスの環境だよな」ということを思い知った経験があります。目の前、あるいはネットワークの向こう側にはありとあらゆる国籍と言語、文化背景、そしてそれぞれの目的を持った、それでも同じ企業の米国本国および各国の現地法人の社員が山のようにいるわけです。みんな同じロゴを背負っているわけです。どの国がどうのこうのじゃなくて、それぞれが必要なことを必要に応じて担っているという流れ。まったく違う価値観を持った人同士で妥協ではなく論破でもなく、同じ目的意識だけを共有している中で必要性だけを理解してもらって役割を果たしてもらうとか、いろんなことが起きるわけです。それを理解していれば物事はある意味スムースに動くわけです。でも、あの国は許せんとか、あいつらは嫌いだとか、私のつたない経験の中でももちろん色んな問題は起きてましたけど。

ここで・・・ 非常に個人的な考え方なのですが、そもそも日本で生まれて育った自分の価値観や倫理観などへの理解を相手に求めること自体が無意味だと一度思ってみる事じゃないかと思ってます。

 

極論:自分の立ち位置は大事。でも相手が理解してくれることを期待するべきではない。

お互いに対するリスペクトからお互いをより深く理解しようとすることは大事だと思います。それでも絶対に譲れない一線というのあったりするわけです。単純な習慣のようなものかもしれませんし、宗教に立脚するものかもしれません。その背景を理解しないままこちらの意図を伝えても単に押し付けとなる可能性もあるわけです。そもそも数百年も前から争っている部分もあったりするわけで、そこに軽々しく踏み込むべきではないと思います。

あるいは、実は立場と状況によっては相手の状況を慮ること自体が社会的に許されないケースもあったりするわけです。一定の力や立場を持った人がやってはいけない事がある社会があるわけです。その状況を生んだ歴史的背景を理解せずに現在の日本人的なコモンセンスというべき倫理観をもって論ずるべきではない状況があることは、理解するべきだと思います。

ここで・・・ 非常に個人的な考え方ですが、そもそも日本のある場所で生まれて育った自分が持つ価値観や倫理観は「日本人としての基礎知識」のひとつの形としてきちんと頭に置きつつ、相対(あいたい)する、あるいはなんらかの関係を持つ人がどこの誰であっても、その人との接点の意味と目的というものを考えないといけないと思っています。そして自分の目的と、その目的に即した立場と、果たすべき役割をどのように理解するべきなのか。

単純に英語が喋れるとか、どこそこ大学で勉強したとか、そんな話ではないと思っています。それがグローバル化のひとつの出発点じゃあないかと思ったりします。

 

という議論もありつつ、実は国の内側の話のほうが深刻かも

国内でのグローバル化という話があったりします。日本人だけが働く日本企業、という立場で立ち行くのであれば全然良いと思いますが、納税先=企業の本籍地云々という議論とは別に、目的に応じて必要とされるスキルを持った人をキチンと雇用し、処遇できる状況を作らない限り、社会全体として見たときにもどこかで縮小均衡するしかないんじゃないかという気がします。

それだけでなく、いわゆる中途入社や親会社からの出向者を多く抱えた企業の行動原理も同じように考えないといけないんじゃないかと思います。主体は何なのか。どこに存在意義を求めるのか。アイデンティティのルートをどこに求めるのか。

内憂外患。

正しい目的の設定、それを実現するために必要なスキルの明確化と、結果の評価をきちんとできること・・・ なんての絵空事の理想論ですが、そういった動きを本当に出来ないと、やっぱり駄目なんじゃないかと考えたり、でも実は世界中の多くのいわゆる多国籍企業も、その経営陣は実は純粋な仕事の関係以外のところで繋がっていたりといった事実もあるわけで、そのg立場と求めるモノ、求められるモノによって考え方を変えないといけないよなと考えたり・・・

いや、今年の正月は割と時間に余裕があるもので・・・ 新年早々なんだか訳の分からん夢を見ているようです。

bibendum_iwa

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プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

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