« 2008年3月30日

2008年3月31日の投稿

2008年4月2日 »

「リストのチカラ」
堀内浩二/ゴマブックス

最近ずっとカバンに入れて持ち歩いています。

この本にざっと目を通してわかるのは、ものすごく時間をかけて作られた本に違いないということです。前半は、堀内さん厳選のリストが計50本、1見開きに1リストという形でまとめてあります。読者として何気なくページを繰っていく分には、ささっとスキャニングすることも可能なのだろうけれども、書き手の目線で1つひとつのリストに込められた”練り具合”をなぞっていくと、1見開き1見開きに気の遠くなるような時間がかけられているであろうことが、うっすらとわかってきます。筆者が心血注いでいる。そんな雰囲気があります。

なるほど「リスト」とは、知恵の言葉であり、暗誦しやすいようにした何か条かの文言です。けれども筆者にとっては、1本1本のリストが、読んで理解して覚えて暗誦して、そして血肉に変えて、その人の行動の規範になる、言わば、その人自身の未来を決める可能性がある、ものすごいう重みを持ったものである。だからこそ、1本1本をゆるがせにせず、吟味して吟味して、書かなければならない。そういう覚悟や姿勢が行間からよく伝わってくるように思います。
リスト自体はちょっと見お仕着せのように見えますが、リスト1か条1か条にも手間ひまがかかっていて、翻訳ものはわかりやすく言い換えられたりしています。左側ページにある個々のリストの解説文にも相応の時間をかけている風があります。

ということで、本書は珠玉のリスト集として存在しています。

そういうのが一度読み取れてしまうと、1本1本のリストをさっと読み飛ばして、通過してしまうということができにくい…。先日も風呂に入りながら読んでいて(いつもそうなので)、以下のリストに出くわして、堀内さんのブログのキャッチコピーではありませんが「ハッ」としてしまいました。

-Quote-
人生における13の富

1. 金融資産--蓄積と交換が容易な富
2. 健康--豊かな人生の条件であり、同時に目的である。
3. 伴侶--互いを、社会を、支える基盤
4. 子(孫)--未来へのかけはし
5. 志--生涯を賭けた挑戦
6. 見識--自分の言葉を持つ
7. 自由時間--重要なことに時間を配分できる状態
8. 友情--損得を超えた信頼の絆
9. 職業スキル--世の中の役に立つ力
10. 仕事のネットワーク--自分の価値を認めてくれる顧客・仲間
11. 事業--社会貢献の装置
12. 思想--後世に遺せる無形の富
13. 姿勢--死後、自分がどのように思い出されるか
-Unquote-

それぞれの言葉に添えられた短いフレーズにも含蓄があります。「自由時間」について「重要なことに時間を配分できる状態」なんて説明をつけるのは誰にもできることではありません。「事業」が「社会貢献の装置」であるとはっきり自覚している方は、そうそういないと思います。深く考え抜かれた言葉や表現が並んでいます。

こんな風に1つのリストに目が留まると、次のリストに移っていけないので、本書はまだ読み終わっていません。その時々にいろんなところを開いて、目に飛び込んできたところに「ハッ」とするという読み方が、意外と筆者の望むところなのかも知れません。人それぞれにおいてセレンディピティがあるように、という願いが込められている本だと思います。

dimaizum

« 2008年3月30日

2008年3月31日の投稿

2008年4月2日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

今泉 大輔

今泉 大輔

株式会社インフラコモンズ代表取締役。
国内の太陽光、木質バイオ、石炭火力の発電案件。海外の天然ガスに関係した案件の上流部分のアレンジメントを行っている。その他、リサーチ分野として、スマートグリッド、代替的な都市交通、エネルギーの輸出入。電力関連の近著も。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年3月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
serial
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ