« 2005年9月3日

2005年9月4日の投稿

2005年9月5日 »

今日は日曜日なので、まー別ネタを。

2003年12月頃から2005年6月頃まで、ヤフーオークションをものすごくたくさん利用しました。CD、LP、ビデオ(DVD含む)はだいたい買うだけで、それぞれ50~150点程度。一番熱中したのは中古オーディオ機器で、約1年のうちに40台を落札し、ほぼ同数を売却しました。

ある程度まとまった量を売り買いしていると、体感的にわかってくることがあります。

【知見1】オーディオ機器は組み合わせ総重量200kgを超えるあたりからハイエンドの音がし始める。

その昔、オーディオ評論家の長岡鉄男氏の書いたものに触れた人の間では、「オーディオ機器は重ければ重いほどよい」というのは割りと常識として理解されています。私もガキの時分に彼の書いたものを読んでいましたから、これは頭に入っていました。
多少”大人買い”ができるようになった昨今、いろいろ買って試してみると、彼の言っていることは一理も二理もあるなぁーという感じです。

今の自室のオーディオセットでは影も形もありませんが、最盛期にもっともよい音がしていた頃のラインナップは次のようなもの。

 SP:Diatone DS-90C 片ch 75.0kg 
 Pre-Amp:Exclusive C3a 12.5kg
 Main-Amp:300Bシングルをパラレルで使用したモノラルアンプ 片ch 23kg程度
 CDP(トランスポートとして使用):Sony 555ESD 13.5kg
 DAC:Sony DAS 703ES 16.0kg

80年代のオーディオ機器に詳しい方ならすぐに気づくと思いますが、300Bの真空管アンプ(プロの手作り)を除けば、すべて性能の割りにかなりお安く手に入る機器ばかりです。ですが、総重量は238.0kg。こりゃもうさすがに王者の風格を漂わせる完璧にハイエンドの音がしていました。

最終的には売ることになった300Bモノラルアンプを出品した際にヤフオクで書いた説明文では、以下のように記していました。

-----芳醇、ステーキで言えば肉汁がたっぷり詰まっている、フレッシュ、音が痩せているという表現の正反対、高級料亭の手間隙かけて取ったかつお自然だしによる煮物、といった表現がしっくりくる本機の個性……。また、どういうプリアンプ、CDPをつないでも、決して失われない本機特有の「音のすじ」……。高域、中域に上のような味わいがある一方で、低域は余裕たっぷり、排気量5000ccでラクラク鳴らすね、という感じ。-----

まぁいつの時代もオーディオ機器の音の描写というのは難しいものですね。一言で言えばものすごく余裕がありつつ繊細な表現をこなすというあたりです。
この”余裕”が重たい機器の組み合わせから出てくるわけです。

上記ラインナップでも際立って重かったのがスピーカーのDS-90Cです。

これがですね、6万円程度で入手したのですが、ものすごい音がしてました。重量による圧勝という感じです。往時のジャズ喫茶のJBLのシステムにも匹敵するほど、リアルなジャズが再生できてました。結局、オーディオ機器は部屋の空気をゆさぶる必要があり、相応のリアリティを得るためにはゆさぶるための自重が必要だということでしょう。

こういう重たいシステムはさぞかしコストがかかるとお思いでしょうが、300Bの真空管アンプを除けば、あとは20万円ちょびです。まー、重量25kgぐらいのモノがよいパワーアンプは5万も出せば入手可能なので、重量200kg超のシステムもうまくすれば25万円前後で実現可能と覚えておいて間違いないです。
これでハイエンドの音がするんですからね。すごいものです。上記【知見1】の変形でほぼ同趣旨の内容が以下。

【知見2】オーディオ機器は、発売時定価総額が150万円を超えるあたりからハイエンドの音がし始める。

ヤフオクを使って、80年代の高級機を揃えるようにすると、発売時の定価の総額が150万円を超えるようなラインナップを組むのはさほど難しくありません。やっぱり25万円程度を用意すれば、なんとかなる線です。(メーカーに制約がありますが)

そんなこんなで25万円程度の中古機器で「すげー、これはもう完璧ハイエンド」と喜んでいた時期がありました。

やや時間がかかってしまって、1時間30分程度

dimaizum

« 2005年9月3日

2005年9月4日の投稿

2005年9月5日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

今泉 大輔

今泉 大輔

株式会社インフラコモンズ代表取締役。
国内の太陽光、木質バイオ、石炭火力の発電案件。海外の天然ガスに関係した案件の上流部分のアレンジメントを行っている。その他、リサーチ分野として、スマートグリッド、代替的な都市交通、エネルギーの輸出入。電力関連の近著も。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年3月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
serial
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ