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企業には大別して二つの組織コミュニケーションがある。ひとつは従来からのおなじみの、組織階層に規定される「職制コミュニケーション」である。

組織が目的目標をもって活動するには、適切な構成メンバー間の「分業」とメンバー間や組織をまたいた問題の「調整」が必要だ。これらの調整作業を行うためには、階層に基づく職制ベースのコミュニケーションが行われる必要がある。無言で活字にもせず複雑な調整作業を行うことはできない。たとえ、指示や意思決定を口頭でメンバーに伝え、メモにして配ったとしても、リアルタイムで調整しなければならない状況下では口頭で都度説明・指示・修正していかなければならない。

20071125_p2p_2  

 もう一方は、フラットな「Peer to Peer(P2P)コミュニケーション」だ。

企業が変化の激しい、しかもスピードの速いビジネスで利益を得ようとしたら、問題発見、情報共有、意思決定、行動の修正など、必然的に早く行わなくてはいけなくなる。

それぞれに必要とされるコミュニケーションは、現状確認であったり、データ収集であったり、関係部署への情報提供であったりと実に様々である。往々にして、情報を得てみないとその重要性が判然としなかったりするものであったりもする。つまり、必要に応じて適宜行われるもので、あらかじめ何処の誰と何に関してどのようにコミュニケーションするかを形式化することが難しいのである。形式化できないということは、管理監督できないということである。

ここが重要なのである。

管理監督者は実務担当者を信頼して「権限付与(エンフォースメント)」し、P2Pコミュニケーションを確立させないといけない

具体的に言うと、一担当者でも業務上必要とあれば、上長の事前承認なしに、他部署のどこの誰にでも情報の確認や提供を求めることができるものとし、担当者が情報価値を判断できるようにしたい。平たく言うと、社内の人間が「教えてください」と言ってきた時は、必要性を理解できれば誰にでも「教えてあげましょう」ということにすぎない。時にはお門違いの依頼や判断ミスもあると思うが、情報を見る目を養うためには必要なムダだろう。

この際、会社として「教えてあげましょう」を共通ルールとして社内徹底し、スムーズなコミュニケーションを実現し、社員の職制外コミュニケーション業務の生産性が向上するようにしてはいかがだろうか。部下の生産性が上がれば、管理監督者として自身の生産性が上がるのだから一石二鳥というものだ。先に挙げた「職制ベース」と「P2P」は決して異質なものでもなければ、相反するものでもない。是非とも両立させ、相乗効果を発揮させ成果を獲得していただきたい。

 

 昨今、コミュニケーション系情報システムがどこの職場でも導入されつつあるが、システム投資以前に今回取り上げた「ルール」が社内環境として整理されていないと、コラボレーションツールや情報共有化ツール、ナレッジツール、Q&Aツールなどを導入しても成果は期待外れに終わりかねないことに注意を喚起したい。

Patina

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