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IFA 2011で東芝、Acer、Lenovo、ASUSからMacbook Air似のUltrabookが続々と発表されました(まだ発売じゃないみたいですが)。

Intelは、Ultrabookの構想を2011/6の時点で発表しています(Intelの「Ultrabook」計画の感想)。これがようやく現実味を帯びた製品が出てきたことになります。

Macbook Airを使っているとライトな用途ではこのサイズで十分(ストレージも含めて)ですし、たぶん多くのユーザはライトな部類でしょうから、ほとんどの多くのユーザはMacbook Air程度で必要な性能を網羅していると思います。

また、メディアタブレット対策としてキーボードが付いたインターネット端末の魅力で撃退もしたいでしょうし、Appleから急かされているのもあるでしょう。

このため、IntelとしてはUltrabookの普及させたいはずです。

ですが、ここで気になる点が2点あります。

1点目は、解像度の関係です。IntelはAtomを出したときにメモリ搭載量や解像度に関して規制しました(安くしない)。見ていると13.3インチの1366×768ばかりに見えます。Macbook Airの解像度は1440x900です。13インチクラスでももう少し解像度を上げられます。解像度関係の規制があるのでしょうか。また、何も13.3インチである必要性がありません。14インチクラスの薄いタイプがあってもいいはずです。特に14インチだと1600x900の高解像度が一般化しているため、この解像度を持つUltrabookとかでないのでしょうか。

2点目はAtomとの関係です。低消費電力市場はAtomが担うはずでした。ですが、Ultrabookを見る限りSandy Bridgeの低消費電力タイプが使用されています。Atomを採用しなかったのは性能が低すぎるからでしょうか。Atomの役割が小さくなり始めているように思えます。

今後のUltrabookの方向性も気になります。"2013年の「Haswell」は,大きな転換点。Ultrabookで「PCの再定義」を狙うIntelはHaswell世代で何をもたらすのか"において、IntelはHaswell世代で大きく消費電力を低下させるとあり、もっと薄く・軽くなりそうです。

また、Thunderboltで外部接続パスが速くなればドッキングステーションでGPU、ストレージ、ディスプレイを接続可能です(2011年時点ではPCI-Express x4程度なので、内部バスから比べれば速いとはいえません)。ドッキングステーションをディスプレイと一体化すれば、Ultrabookとディスプレイだけしか見えないけど、パワフルなGPUや大容量なストレージ等が搭載できるかも知れません。ある意味見た目はiMacとMacbook Airの構成だけど、一台で実現するような方式でしょうか。

Ultrabookは、Intelがプッシュするため価格は抑えられるでしょう。このため、ある程度市場には受け入れられると思いますが、ネットブック並みの安価だとは思えません。このため、ネットブック登場時期ほど出荷台数が増えないでしょう。また、ライトなユーザはメディアタブレットに流されてしまい、Ulrabookでもそれを止めることが出来ない可能性は高いと思います(よっぽど安価なら別ですが)。

UltrabookはスタイリッシュなノートPCは増えると思いますが、メディアタブレットやスマートフォンと競い合うにはまだ足りないと思います。

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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