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私は石川県出身で、プロ野球ファン(燕ファンなので2011年は久々に面白いシーズンです)です。ですので、人口が少ない地方都市がプロスポーツチームを持て得ないことを痛感しています。

石川県最大の都市である金沢市は46万人(2011/8/1)です。日本海側に隣接している都市では新潟市の81万人(2011/8/1)についで大きいですが、それでも商業圏では人口が多い主要都市から比べれば大きいとは言えません。(注:金沢市は新潟市や仙台市のように急速に周りを合併して拡大化できていません。このため、大きくはなれていないのが現状です。と言っても隣接している野々市、津幡、内灘もそれほど大きくないからな...)

このため、プロ野球を地方都市が持つことは仙台市クラス以下では無理だと思っていました。

ですが、著者が代表をするBCリーグが創設され北陸にもプロ野球チームが設立されました。本書では、如何に創設が難しいかが記されています。なんと言ってもNPBをロールモデルには出来ませんし、当時設立間もない四国ILも苦戦が続いてたので参考にしづらいものがありました。

ですが、その中で2010年度には単年度黒字まで到達したチームが出てきたそうです。そこまで組織が出来上がっていたとは驚きました。

私は、日本の野球はアメリカの様な裾野が広い方式のほうがいいと思っています。日本では大学野球や社会人野球がそれを担っていますが、年齢や不況によって地盤がしっかりしているとは言えません。このため、野球の独立リーグはより野球が普及するためにも必要だと思っています。

また、選手の活躍する場として重要ですが、指導者の活躍する場としては重要ではないかと思われます。NPBで好成績を挙げている監督には2軍監督を経由している人が多い傾向があります(例:ライオンズの渡辺監督、ホークスの秋山監督、バッファローズの岡田監督、スワローズの小川監督も...例外:ドラゴンズの落合監督、ジャイアンツの原監督)。現在のNPBでは指導者を訓練及び競わせる場が狭すぎます(この点でもアメリカとは違いすぎる)。現行のシステムでは、指導者の受け皿が少なすぎるのです。

このため、独立リーグの意義は野球を活発化させるにも重要ではないかと思われます。

また、BCリーグ憲章の中に”野球場の内外を問わず、地域と、地域の子供たちの規範となる。”とあります。これは減らない高校野球や大学野球の不祥事を思えば、もっと高く評価されてもいいように思えます。このためか、メジャーリーグから提携の提案がされるほどなのですから。

本書は、ロールモデルがほとんど存在しない上に経済基盤が小さい母体・地域でプロスポーツを一から立ち上げることが、外から見ているよりも如何に困難であるかが伺えう内容です。この流れが続くことはプロ野球の今後を考えても重要だと思いますので、今後の発展を祈っています(実家に帰省の時に見に行かないと)。

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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