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近い将来のPCのカタチ

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最近のIT系情報を眺めていて、PCはまだまだドラスティックに変わりそうな感じがしました。

最近で最も性能向上を果たしたのは、NANDを使用したストレージでしょう。MacBook AirやVAIO ZはうまくSSDを使うことで性能向上と筐体をクールにしました。

HDDは容量こそ大型化していますが、転送速度の向上は遅々として進みません。特にバス(SATA)から比べればすごく遅い状況が改善できていなかったため、SSDの登場は仕方ないところでしょう。ストレージはOS/アプリの起動時間の短縮するため、体感しやすいのではないかと思われます。

ストレージのバスの速度に関しては、SATA Express(8/16Gbp)の規格が2011年までに出来上がるようです。現在のSSDのシーケンシャルリードがSATA 3.0の上限に近い500MB/secまで到達しているため、バス速度を上げる必要があります(ただし、ランダム系のアクセスが未だに100MB/secに到達していないため、不要との見解もありますが...)。

PCI-Express接続のSSDであるOCZ RevoDrive 3 X2は、シーケンシャルリードが1GB/sを超えるものが存在しているため、SATA Expressの登場の仕方ないでしょう。近い将来においてストレージのシーケンシャルリードは軽く1GB/sオーバーの安価なストレージが出てくるかも知れません。

IntelがUltrabookの促進のために、3億ドルのUltrabook基金を創設を発表しています(Intel、厚さ21mm以下/24時間駆動を目指し3億ドルのUltrabook基金を創設)。CPUもそれにあわせて省電力をメインに据える発表もしています。MacBook Airがクールであるのは非常に薄い製品だからですが(それ以外の要素もありますが)、それがIntelの後押しがあればデスクノート以外はデフォルトになりそうです。

DellもVostro V131で薄型を出していますし、LenovoもThinkPad X1で薄型にチャレンジしています。この流れは以前日本で流行った時以上に普及すると思われます。

Appleが率先して採用しているThunderboltですが、マルチディスプレイと外部パスとしてうまく機能しそうな感じです。DisplayPortは元からデイジーチェインによるマルチディスプレイが予定されていましたが、未だに対応されていませんでした。このため、Thunderboltで促進される可能性があります。

Thunderboltは最初の転送速度は10Gbpsと内部バス(PCI-Express 2.0 x16:40Gbps)と比べればそれほど速くはありません。ですが、目標は1Tbps(本当にできるの?いつ達成するの?)だそうなので、PCI-Expressと比べて遜色ないレベルにもってくることができそうです。ZAIO ZではThunderboltで外部GPUを接続しています。バス速度があまり速くない為性能的にはそれほどですが、転送速度さえ改善んすれば外付けGPUも一般化するでしょう。

特にディスプレイ側と連動すれば持ち運びはMacBook Airの様な軽いタイプで持ち運び、机の上で作業する場合はThunderboltで外付けGPU+大きなディスプレイを接続するような(ドッキングステーションライク)形式も夢ではなさそうな気がしています(持ち運びはメディアタブレットの方が有力かな?)。

メモリ関連はそろそろ次世代の製品が出てきそうな感じです。特に有力なのがSTT-RAMのようです。"次世代磁気メモリ「STT-RAM」の行方"が詳しいと思います。2015年にはDRAMとかなり良い勝負ができそうな感じです。

DDR4もなかなか決まらなかったので立ち上がりも遅そうですが、この遅れはあまり良いことではないでしょう。CPUにGPUを搭載し始めているため、メモリの転送速度が不足し始めています。AMDのFusionは転送速度不足が顕著です。たぶん、CPUメーカ(IntelとAMD)は、メモリ規格団体に対して苛立ちがあるように思えます(AMDは率先して新しいメモリ規格を採用できませんが)。

DDR系は、DDR4よりもスマートフォン・メディアタブレットの方が大切な感じに見えます。こればかりは勢いなどもありますし、省電力自体も重要度が高まっているため仕方が無いかも知れませんが。

CPUは、ムーアの法則にしたがってトランジスタを詰め込めるようになるため、回りにあるデバイスを飲み込んでいます。浮動小数点演算、キャッシュ、メモリバス、GPU、外部バスIF(PCI-Express)と次々と飲み込んでいます。さすがに大容量のメモリ全てを飲み込めないと思いますが、L3キャッシュライクにTSV(Through Silicon Via)でメモリを搭載することになると思います。

このように見るとテクノロジーの進化で近い将来においてPCのカタチは大幅に様変わりするような気がします。特にThunderboltが予定通りて転送速度が伸びるならば、デスクトップPCは今以上にシェアを減らすでしょう。まぁ、PCがメインの情報端末としては、主役は奪われるタイミングがもうすぐにやってくるので、スタイルが変わってもあまり気にならないかも知れませんが。

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