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過去、世界の工場として飛躍的な発展を果たしてきた中国ですが、その一番の原動力はコスト優位性に他なりませんでした。圧倒的な人件費の安さに魅力を感じて、世界中の多くの企業が中国内に工場を設立していることは誰もが知っていることだと思います。

近年は、元の切り上げや頻繁な従業員の給与引き上げによって、コスト面での魅力が徐々に薄れつつあり、先にあげたコスト重視の企業は、人件費がまだ安価なベトナムやタイに生産拠点を移す動きをみせていますが、それでもまだ多くの企業は中国内での生産を続けています。

そんななか、週末に少し驚くニュースを目にしました。

『中国パソコン最大手のレノボ・グループのミルコ・ファン・ドュイル上席副社長は8日、読売新聞のインタビューに応じ、レノボブランドの日本市場向けパソコンの生産を、中国などから国内に切り替える検討を進めていることを明らかにした。

 生産効率化とブランド力強化を進め、国内シェア(市場占有率)3割を目指す。

 レノボは今年7月、NECとパソコンの合弁会社「レノボNECホールディングス」を設立。「ラヴィ」などNECブランドのパソコンは米沢事業場(山形県米沢市)で生産し、「シンクパッド」などレノボブランドは海外の企業に生産委託などをしている。

 ドュイル副社長は「消費者に近いところで生産することは重要」と述べ、今後は法人向けノート型パソコン「シンクパッド」や、個人向けノート型の「アイデアパッド」など、すべてのレノボブランドの商品を米沢事業場で生産することを検討する方針を表明した。』
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111210-OYT1T00166.htm

前述の文脈に沿って、単に欧米や日本のグローバル企業が生産拠点を変えたという話ではありません。私が驚いたのは次の2点です。

 #1.中国の生産拠点を「日本」の東北地区に移したこと
 #2.これはLenovoという中国PC大手企業が決断したということ

Lenovo(聯想)はPC事業をNECと一緒にやっているわけですが、中国企業が自国の生産拠点を捨てて、日本のモノづくり産地を選んだというのは、生産効率性(高度化)を高めることで中国国内の生産総コストよりも抑制できる見通しがあるからだと思われます。さらに、”MADE IN JAPAN”というブランドを活用して、セールスの拡大を狙いたいという思惑も、報道内容からは伺えます。

PCといえばIT産業の代表的な製品ですが、こういったレベルの製品については、中国国内で敢えて作らずとも、全体コスト(輸送費含めて)と品質(サプライチェーン上のリードタイムを含めて)の総体で考えれば、先進国の労務コストでも十分戦えるステージになってきたということですね。

NAKA

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中 寛之

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