« 2011年12月7日

2011年12月9日の投稿

2011年12月10日 »

LinkedInというビジネスパーソン向けのSNSがあります。先日、日本語対応をして話題になっていたやつですが、このSNS内のニュースサイトで、「お金よりも従業員のモチベーションを高める9つのもの」(9 Things That Motivate Employees More Than Money)というエントリーがありました。

紹介されていたのは次の9つのコトです。

【1】惜しみない称賛を送る
    (Be generous with praise)
【2】管理職をなくす
    (Get rid of the managers)
【3】自分が考えたように思わせる
    (Make your ideas theirs)
【4】批判や訂正を決してしない
    (Never criticize or correct)
【5】ひとりひとりをリーダーにする
    (Make everyone a leader)
【6】週に1回はみんなでランチに行く
    (Take an employee to lunch once a week)
【7】成果を讃えて報いる
    (Give recognition and small rewards)
【8】会社でパーティを催す
    (Throw company parties)
【9】喜びと失望を共有する
    (Share the rewards—and the pain)

http://www.linkedin.com/news?actionBar=&articleID=960869492&ids=0TcPsPd30VdjAIdPsMdP4SczoVb3kOd3AQcjwReiMNdPgMczgMdzAIczAQejoUc3oV&aag=true&freq=weekly&trk=eml-tod2-b-ttl-0&ut=2JgVT5I9Azz501

このエントリーを読み終わって気づいたのは、私が所属しているアクセンチュアという会社は、この全てを実践しているということでした。上記の9つをざっくり分類すると、次の3パターンに収まるかと思います。
※もっとしっくりくる分類があったらコメント下さい。

  •  キミの成果を認めるよ系 :1、4、7、9
  •  仕事の裁量を増やすよ系 :2、3、5
  •  楽しいイベントやるよ系 :6、8

相手の心情に寄り掛かって共感し、やることの裁量を広げて、楽しく一緒に過ごす時間を提供する。今のアクセンチュアはこの仕組みがちゃんと備わっているんだな、と改めて実感した次第です。

 

ちょっと話は逸れますが、アクセンチュアに3つのコアバリューと読んでいる社訓みたいなものがあります。全部英語ですけど、直訳だとニュアンスが伝わりにくいので、私なりに意訳してみました。

 ■ Value Creator (価値を提供しよう)
 ■ People Developpr (ヒトを育てよう)
 ■ Business Operator (責任を果たそう)

「価値」というのは、付加価値のことです。自分が加わることによって、どんなプラスアルファを相手に与えることができるのかをいつも自問し、相手が期待する以上の成果を出すことを心がけてほしいということです。

「ヒト」が指すものは部下だけではありません。同僚、お客さん、時には上司に対しても、相手を成長させる何かをすることができる人材となって、自分の周囲にいる人たちの成長を促進させるようになってほしいということです。

「責任」という言葉は、自分への向けられている期待と言い換えることができます。直接自分に与えられた仕事だけをやるのではなく、期待されている役目を率先して果たすために、やるべきことやる姿勢を持ってほしいということです。

これら3つのコアバリューを意識して、組織のリーダーが行動を実践すると、Value Creatorは「成果を認める系」と重なり、Business Operatorは「裁量を増やすよ系」と被り、People Developerは上記2つに加えて「イベントやるよ系」を含むことになるので、『人材のモチベーションを高める仕組みがアクセンチュアにはある』というなんとも手前味噌な結論に、恥ずかしながらというか、別に恥ずかしくもないですが、至った次第です。

 

こういう視点で会社を評価するということができる就活生がいるといいですね。

採用活動で受身にならず、自分がこの先活躍できる場を提供してくれる組織なのかを問い掛けることは、優れた組織を見極めることができるという自分自身のメリットの他に、採用する側として登場する管理職クラスの人たちへ何らかの気づきを与えることができるかもしれませんし、少なくともそういう意識を持った人材を評価するところは少なくないと思います。

就職活動というものは、多くの就活生における人生の重大イベントであり、自分自身のことで手一杯だという方はきっと多いと思います。でも、学校の友達やグループディスカッションで同席した仲間、面接で応対してくれた会社の先輩とのやりとりで、相手から何を得られるか&自分は相手にどんなプラスアルファを与えることができるのか、を考えて行動することを心がけると、これまでとちょっと違った風景が目に入ってくると思いますし、何かが変わると思いますよ。

これから就職活動はさらに活発になってくるでしょうが、体調には気をつけて、気持ちに張りを持ってまっすぐに、でも時々周りを見渡しながら、しっかりと前に進んで下さい。

NAKA

« 2011年12月7日

2011年12月9日の投稿

2011年12月10日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

中 寛之

中 寛之

アクセンチュアに勤務。
ITIL Managerとして、システムインフラのコンサルティングを中心に、業務領域まで幅広く担当しています。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
infra
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ