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携帯電話といえば、いまやメールやインターネットの利用は当たり前、カメラもついているし音楽再生だってできてしまう、 そんな多機能な構成が当たり前になりつつあり、最早当然のカタチであると認識されています。例えれば、 マウスにはボタンが2つとスクロール用ローラーが付いているのが当たり前のように。

しかし、この「当たり前」の状況を揺さぶる衝撃的な特許侵害訴訟が米国で起こされようとしています。

実は、2008年に入って、冒頭に挙げた携帯電話の基本構成を特許として取得してしまった企業があるのです。企業名は、 ミネルバインダストリーズ。2008年1月22日付けでアメリカの特許庁で認可されたのが以下内容です。

http://patft.uspto.gov/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO2&Sect2=HITOFF&p=1&u=%2Fnetahtml%2FPTO%2Fsearch-bool.html&r=1&f=G&l=50&co1=AND&d=PTXT&s1=%22US+7,321,783+B2%22&OS=

テクノバーンによれば、今回、ミネルバ社が取得した特許はパームサイズの携帯電話に、 インターネット接続やメモリー用のスロットを装備したいわゆる多機能携帯電話の基本概念をまとめた基本特許に近いものだとのこと。
(テクノバーン:2008/1/26 10:48 携帯業界に衝撃、米国企業が多機能携帯の基本特許を取得)
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200801261048


同サイトでは、 「業界ではこの特許があればほとんど全ての携帯電話メーカーに対しても特許侵害の訴訟を起こすことが可能といった見方が強まっている」 と述べており、実際、アップル社のiPhoneが特許を侵害しているとして、早速テキサス州地方裁判所に提訴されました。

実際、このような感じになってます。
http://trolltracker.blogspot.com/2008/01/minerva-v-rim-another-case-opened-too.html


ミネルバ社では、今後以下の企業に対して特許侵害訴訟を提訴することを発表しています。

  • モトローラ
  • ノキア
  • アルテル
  • AT&Tモビリティー
  • ドブソン・セラー
  • ヘリオ
  • ヒューレット・パッカード
  • メトロPCSワイヤレス
  • スプリント・スペクトラム
  • ネクテル・テキサス
  • ネクルテル・サウス
  • ネクステル・ニューヨーク
  • ネクステル・ミッドアトランティック
  • ネクステル・カリフォルニア
  • ネクステル・ウエスト
  • TモバイルUSA
  • トラクフォン・ワイヤレス
  • セルコ・パートナーシップ
  • ヴァージン・モバイルUSA
  • ハイテク・コンピューター
  • HTCアメリカ
  • 京セラ・ワイヤレス
  • LGパーム
  • パンテック・ワイヤレス
  • 三洋
  • UTSスターコム
  • ソニー・エリクソン
  • サムスン


ミネルバ社の特許申請は2003年11月に遡ることができますが、たしかにこの時期の北米における携帯電話機種の状況では、 ミネルバ社が申請した構成を実現している携帯電話はほとんどなかったように思えます。※日本にはありましたけどね。

とはいえ、ミネルバ社の特許申請の思惑には疑念が残りますし、同社の情報を調べるほどに、 特許訴訟による金銭目的の色合いが強いことを再認識しています。

今後、この訴訟の正当性を米国がどのように判断するのか、注目です。

NAKA

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中 寛之

中 寛之

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ITIL Managerとして、システムインフラのコンサルティングを中心に、業務領域まで幅広く担当しています。

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