« 2007年2月4日 | 2007年2月9日の投稿 |
2007年2月12日 » |
加入者が2億人の大台に乗った英Vodafone、ここ数日怒涛のごとく、発表をしている。
まずは、2月7日、欧州に進出しはじめた人気SNS、MySpaceと独占契約(ニュース記事はこちら)、今年前半に英国市場でMySpaceに携帯電話からアクセスできるようにするという。
続いて2月8日にはオークションのeBayとの提携を発表(ITMediaさんのニュース記事)、eBayを利用してアイテムの検索や売買、購入が可能になるという。まずはイタリアで利用できるようにし、年内に主要欧州市場でアクセス可能にする。なお、eBayは英国でiモードを展開しているO2が、iモードコンテンツとしてすでにeBayを提供している。
そして9日、今度はGoogle傘下のYouTubeだ。Vodafoneユーザーは携帯電話からYouTubeにアクセスし、動画を見たり、動画をアップロードしたり、友人に推薦するなどのことができるという。こちらは英国で最初に提供、その後主要市場で展開するようだ。
これら3つのインターネットサービスの提供は、予想されるモバイルWebの盛り上がりに先んじた動きといえる。Vodafoneは3つのサービスが利用できるアプリケーションを「Vodafone Live!」からダウンロードできるようにするほか、将来一部機種にプリンストールする計画もあるようだ。アプリケーションのダウンロードは無料のようだが、各サービスの利用料金は現時点では発表していていない。
もうひとつの動きが、2月8日に発表した、ライバルOrange(仏FranceTelecom傘下)との3G回線の共有だ。
2社は英国で3Gの無線網を共有することで合意、これによりネットワークの管理・維持料の削減、カバレッジの拡大を図るという。無線網は共有しても、トラフィックは各社が管理し、QoSも自社責任となるようだ。いまだに多数のユーザーが利用する2G網に関しては、今後話し合うという。
欧州モバイル市場は成熟しており、新規加入者による収益増は期待できない。それどころか、オペレータは既存顧客の維持に必死だ。また、MVNOなどが市場を刺激した結果、音声通話料金は下がる一方だし、コンテンツの利用に関してもまだ大きな収益が期待できない。今回の3G網共有は生き残りに向けた懸命な策だと思う。
モバイルコンテンツ・サービス市場に関する報告書が、英Informa Telecom&Mediaから出た。それによると、2011年のモバイルコンテンツ・サービス市場の規模は1500億ドルに達すると予想している。
このようなコンテンツ市場の成長が期待できる背景には、ネットワークや端末の成熟、新しいコンテンツの登場などがある。ネットワークでは、3G/HSDPAの普及があるし、端末も、標準OSを搭載することでさらにPCに近づいた高機能端末端末のラインナップが揃い、しかも価格が下がってきている。
コンテンツとしては、Web、音楽、TVなどが成長しそうだという。音楽は、米AppleのiPod/iTunesの成功を受け、端末メーカーやオペレータが強化しはじめたのが2003~2004年だっただろうか。あれから3年、現在ではスタンダロンのMP3端末を脅かす存在になりつつある(ニュース記事はこちら)。現在の課題は、携帯電話上で音楽ダウンロードサービスを利用して楽曲を購入するOTA(over-the-air)といわれている。
だが、音楽がコンテンツ市場全体に占める割合は、長期的には減少する。Informaによると2006年の40%から2011年には36%に縮小する予想という。その分、TV、ゲーム、アダルト、ギャンブルなどのコンテンツが成長するということだろう。
そのTVだが、先月末に参加したモバイルTVのカンファレンスで、業界関係者の期待が予想以上に高いのに驚いた。その背景には、パイロットで得られたフィードバックが非常にポジティブだったことがあるようだ。TVはすでに慣れ親しんだコンテンツで、ユーザーにとってわかりやすく垣根が低い。この点が大きな後押しになりそうだ。
同社によると、エンターテイメント市場は2006年の188億4000万ドルから5年後には倍増以上となり、2011年には381億2000万ドルになると予想している。それでも、データ通信の大半を占めるのは、テキストメッセージング(SMS)という現状は2011年でも変わらないようだ。2006年、SMSは市場の67%を占め、2011年も50%以上と予想されている。
モバイルWebブラウザだが、英Sunday Telegraphらが、主要オペレータ数社が共同でモバイル検索エンジン開発に乗り出すらしい、というニュースを報じている。来週に迫った3GSMで明らかになるとのことだ。
同報告書では、今後のオペレータの役割として、自社のコアコンピテンシーにフォーカスすることとアドバイスしている。そのような観点から、このブログでも以前紹介した英オペレータ“3”のデータ定額サービスを賞賛している。
« 2007年2月4日 | 2007年2月9日の投稿 |
2007年2月12日 » |