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前回のエントリで、パリのメトロの定期券について紹介したが、ついでに無賃乗車について触れてみようと思う。

052006_006_s_1パリの地下鉄(運営はRATP)は、1枚のチケットで何度でも乗り換えられるし、どこまででも乗れる。改札は入り口のみで、出口にはない。改札をくぐってゲートに入ることができれば、出口では切符を差し込む必要はないということになる。そのため、切符を持たずに無賃乗車する人も多い。

入り口では、ゲートで切符を差し込んで回転式バーを押して入場する(写真右)。10年ほど前は、バーのみだったので、ここをジャンプして超える人が多かった。そこで、取り締まるRATP側は、人の高さの小さなドアを各ゲートに取り付け、バーと連動して開くようにした(有効な切符を差し込まないことには、バーもドアも動かないし、これをジャンプして超えることはまず不可能)。また、バーではなく、ゲートに自動ドアをつけたものもある(写真下)。切符を差し込むとドアが自動で開くのだが、動きがあまりスムーズとはいえず、個人的には常に挟まれるんじゃないかと不安だ。

だが、サイバーセキュリティと同じで、取り締まる側と隙間を突こうとする人は常にいたちごっこ。無賃乗車を試みる人は、今度は、切符を持った人の後ろに忍び寄りいっしょにバーとドアをくぐったり、自動ドアをすり抜けるようになった。

052006_018_s_1降車の際の改札がないためか、日本の電車や地下鉄と比べると、なんとなくルーズな感じがするパリの地下鉄、これがバスになるとさらにルーズだ。バスに乗車するときは、運転手に定期券を見せるか、切符の人は入り口にある改札に切符を差し込む。が、運転手は一人一人確認している風ではない。さらに、ドアが複数(3つあることも)あるので、運転手と顔をあわせることなく乗車することもできる。

RATP側は、職員が集団となり、駅構内で待ち構えたり、バスに乗り込んだりして、抜き打ちの検札を行っている。

私からみると、1)出口でも検札、切符を差し込むゲートを設ける、2)入り口で見かけたら止める(入り口すぐ横の切符売り場窓口の人は、無賃乗車をしようとする人をみても何も言わないことが多い)、でだいぶ変わると思うのだけど。

前回紹介したNavigoは、現状では定期券の代替でしかない。もちろん、このような無賃乗車対策にはつながりそうになく、無賃乗車をしたい人は、Navigo所有者の後ろに忍び寄り、いっしょにゲートをくぐっている。せめて、切符を売る手間を削減するという観点から、定期券以外でもNavigoを使えるようにすればよいのに、と思う。運賃は一律でもあることだし。

052006_027_s 052006_023_s_1

(定期券ではなく)1回限りの切符や回数券で改札すると、裏に数字が刻み込まれる。バスは乗車日時だが、地下鉄の場合は数字とアルファベットの羅列で一見不明。もちろん無意味な羅列ではなく、“読み方”が分かる人には駅と乗車日時が分かるようになっている。この“読み方”を以前に聞いたのだが、忘れてしまった。

*写真は先週末のコンコルド駅構内にて。映画『ダ・ヴィンチ・コード』の封切にあわせ、駅全体にポスターが貼られていた。

sueoka

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末岡 洋子

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