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土曜日の昼、昨年帰国中に購入したThinkPadのキーボードが壊れた。正確に言うと、“W”キーの表面がはずれ、部品の一部が破損したために、修復不可能になったのだ。なんとか裸の状態で打てるので影響はないが、やはり使いにくい。そもそもどうしてそうなったかの経過は省略するとして、かなり焦った。

052005_sさっそく保証書を探し、Jサポートというのがあるのを知る。実家に連絡し、その番号に電話をしてもらうようお願いする。その間、イスラエル出身で同じくThinkPadを使っている友人を思い出し、電話をする。前に彼のPCを見たとき、ヘブライ語のキーボードだったからだ(そのとき写真に撮らせてもらったのが右の写真)。

さて、実家の父によると、IBM側は新しいキーボードを送るが、海外発送はできないので日本の実家に送るという。そして、現地のIBMサポートの電話番号を聞く。さっそく電話をかけると、ThinkPadサポートは平日のみとのこと。月曜の朝は電話が多いだろうから、FAXを送っておく。

その間にもイスラエルの友人から電話がかかってきた。そして、「イスラエルで購入したThinkPadをフランスで修理してもらったことがあるので、大丈夫だろう」という。ちょっと安心した私に向かって、「配送業者がね~、だめなんだよ」と彼。修理状況をWebで追跡できるのだが、修理完了し、工場のようなところを出たはずの彼のThinkPadは数日経っても届かなかったという。気になった彼は、電話攻撃をしまくり、5日後にThinkPadを取り戻したのだそうだ。「う~ん、来週からドイツに行くんだけど、タイミングを見たほうが良いのかなあ、でもキーボードだけ送ってもらえればそれで済むよなー」など、さまざまな考えが頭をよぎる。

さて、月曜の朝。9時15分に電話をする。フランスで、会社やお役所に問い合わせ事をするときはものすごい辛抱が必要だ。私はPCの横に送ったFAXを置き、お茶を入れて長期戦覚悟で挑んだ(朝ごはんを食べた後のほうが、いらいらしなくて済むかなーとも思ったぐらいだ)。

27022006_004_s_1で、お決まりのように少し待たされた後、女性の声がする。お、早い。電話に出た女性は意外にも(?)丁寧で、私の問題がハードウェアと分かると、別の担当者に回す。そこで出たのは男性、私は丁重に要件を伝える。彼はセンターのようなところに送るよう指示するが、「日本側によると、キーボードを送ることが可能と聞いたけど?」と私がいうと、まじめに聞いてくれた(普通なら、「関係ない」の一言だっただろうけど)。何度かシリアル番号やらモデル番号、私の住所など数字とアルファベットを確認するのにいらいらした風だったが、会話は概してスムーズだった。彼によると、原因は私の扱い方にあるので、通常はカバーされないのだが、「月曜の朝なので機嫌がいいから、特別にキーボードを送る」という。どうやらまだ1件目の電話でやる気があるらしい。「普通なら認められないが、特別に許可することにする」とまで言う。そして、もう電話を切りたい私に、何度もキーボードの取り外しと取り付け方を口頭で説明する。

「ありがとう、ムッシュー」と丁重に答えて電話を置いたものの(担当者は、マシンモデルから日本人と分かっていたので「サヨナラ」とまで言ってくれた)、ふと思った。気分で決めてるってことは、電話をしたのが月曜の昼だったら、同じ内容でもだめだったってことか? う~ん。 彼の素直な言葉には、フランス生活で日本人の私がぶち当たるいろいろな疑問の答えが隠されている。外国人だけではなく、フランス人の間でも、「お役所に行くときは、お昼の休憩前でいらいらしている12時は避けたほうが良い」「お腹がいっぱいになった15時ぐらいが狙い目」などという会話が、本気で成立しているのだ。事実、同じことをするのに必要な書類を聞くと、人によって回答が異なるというのは珍しいことではない。

いま現在、このブログや原稿を書くにあたり、「私」「を」「WiMAX」などの言葉を書くたびに、“w”を押すのに一呼吸入るのだが、やさしい担当者の取り計らいで、水曜日には新しいキーボードが着くはずだ。いや、そう簡単に行くかなあー(そんなに簡単にいくことのほうが少ないので、トントンと事が運ぶと逆に不安になるようになりました)。いずれにせよ、このブログで報告します。

sueoka

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末岡 洋子

末岡 洋子

欧州在住、フリーランスのライター兼ジャーナリスト。

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