欧州の視点:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 欧州の視点

あまり紹介されることのない欧州系ITニュースが読めるブログ

« 2005年8月6日

2005年8月13日の投稿

2005年8月22日 »
貧乏暇あり? 2005/08/13

日本では、今週からお盆休みという人も多いと思いますが、この国では夏休みモードは7月に始まっており、8月終わりまで続きます。人々はこの間、2~4週間のまとまった休暇(バカンス)をとります。夏休みといえば、お盆の15日前後に長くて1週間という国からやってきた私にとって、“バカンス”というこの国の習慣は、当初は新鮮(というか、うらやましい!)に映ったのですが、最近はそうでもなくなりました。

082005_003_sたとえば今週初め、パリのお店をリサーチする必要があったのですが、驚いたことに、レストランや雑貨屋さんなど半分以上の店が閉まっていました。もちろん、“バカンス”です。ここで夏を迎えるのは3度目ですが、改めて“この国の人は本当に休暇をとっているのだ”、と実感しました。スーパーは通常通り回転していますが、人が少ないので昼に2時間ほど閉まるところもあります。生活必需品のパン屋さんの場合、近くにある2軒が同時に休むと困るので地区内で順番を決めて交代で休んでいます。

レストランやパン屋さんが夏の休暇で閉まっているのには、それほど困りません。が、困るものもあります。たとえば、お医者さん。今朝、近所の個人医のところに行こうと電話をしたところ、バカンスで留守。戻ってくるのは8月24日とのことでした。それなら、と病院に電話しても、当日のアポイントは取らせてくれません。どうしても今日ならば、「緊急セクションに来るように」といわれます。通常、緊急の場合は長期戦覚悟の根気比べ。朝行って受付で順番をとり、昼ごはんを食べに家に戻り、午後出直す、なんてことも(大げさではなく)考えられます。

実際、2年前のちょうど今頃、この国は40度近くの猛暑に襲われました。その結果1万人以上の人が亡くなったことは、日本でも報じられたと思います。暑さが最大の原因でしたが、それだけではありません。病院に十分な人がいなかったのも大きく影響しています。この時TVで、救急で運ばれてきた病人(多くはお年寄り)が横たわるベッドが診察順番待ちで廊下に並んでいる様子が映し出され、ショックを受けたのを覚えています。医者はもちろん、看護婦も圧倒的に不足していたようです。シラク大統領はもちろん、厚生大臣もバカンス中。自国の異常事態への対応が遅れました。(ちなみに今年は冷夏となったパリ。私が今朝お医者さんに行こうとしたのは、朝晩の冷え込みで体調を崩したためです。日本は暑いようですが、パリは夏らしくない8月です)。

また、仕事でも困ることがあります。問い合わせても担当者が留守。“2週間先に電話をして。本人じゃないとわからないから”なんてことは、夏なら当たり前です。

そんな感じで、ここでは日本のお盆のように休暇が集中していないので、7~8月は町全体、ビジネス全体が半分眠っているような中途半端な状態です。

ちなみに、この国の人たちは、自分のバカンス同様、他人がバカンスを取る必要性も十分に認めています。よって、「バカンスにいくお金もない」というのは、立派な生活苦として処理されるようです。私も、友人・知人はもちろん、バカンスから戻ってきたという近所の人にまで、「休まないとだめよ」などとアドバイスされます。フランス風に数週間まとめて休むスタイルがうらやましいとは思いつつ、慣れ親しんだ習慣から抜け出すのは難しく、どうしても休めません。うーん。

*写真は、近所のパン屋さん。パリ・パン職人組合(みたいなもの)指定の休み表示シールを付けている。この店の場合、7月31日から8月29日まで休み。

sueoka

« 2005年8月6日

2005年8月13日の投稿

2005年8月22日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

末岡 洋子

末岡 洋子

欧州在住、フリーランスのライター兼ジャーナリスト。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2012年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
eu
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ