【番長と遊ぼう!】元・少年少女とプロジェクトマネージャに『無人島で生きる16人』
明治時代に無人島に漂着した16人の男性が生き抜く物語「無人島で生きる16人」はおすすめです。(青空文庫で読めますが、本で読みたいですね。もし電子媒体で読むなら青空文庫リーダの縦書きで読みたいところです。)
http://www.aozora.gr.jp/cards/001120/card42767.html
この話は実話でして、明治時代に遭難事件を乗り切った船長の教え子である作者が、昭和になって書き起こした小説です。子供向けに書かれているので1、2時間で読むことができます。実話を下敷きにしていますので、嘘のようなドラマティックな部分もあれば、盛り上がりを期待して肩透かしを食らう部分もあります。それはそれでおもしろいと思います。
当事者となった船長は事故後に教育機関に勤めることになりました。私の憶測ですが、そのことにより実話に教育的要素がプラスされているのではないかと思います。結果、悲惨なプロジェクト、絶望的なプロジェクトにアサインされた大人たちが力を合わせて突き進み、とうとう乗り切るという現代向けな仕上がりになっています。もちろん少年少女が冒険物語として読んでも楽しめるでしょう。
↓あらためてこのおすすめのエントリを書きながら思い出したエントリ
今こそチャレンジするか!?それともヒヨって現状維持を狙うに留めるのか??(トラパパさん)
海の男は遭難しても現状維持です。でも「10年くらい無人島で暮らせるよね?」という勢いです。行くときは大海に手漕ぎボートで磁石なし、時計なし、地図なしです。
「日本のITってどうして糞ばかりなんですか?」と言っているあなたへ~あの人にオススメしたいこの1冊(けんじろうさん)
この本を読んでいたら日本とか世界とかでなく、自分自身と信頼できる仲間に対してまっすぐに仕事をするのが第一だと感じます。
やりたくないことしか見つからない人へ(大木さん)
産業が高度化してわかりづらいですが、仕事って食べることであり生きることなんだと実感します。自分の仕事も誰かを生かしている、とも。
プロジェティスタ、やってます【中堅崩壊】(テクネコさん)
この船長がプロジェティスタだったら、と考えると憧れもするのですが恐ろしさも感じるのはなぜでしょうか。
若者に昔話(小俣さん)
海の達人である年長者が若者を率いる役割、というのを再認識しました。
「まいど1号」の放棄にみる「プロジェクト」の管理と役割(岩永さん)
生きて帰るのが仕事、という究極のプロジェクトを完遂させる姿が心に残ります。(まいど1号は本当に星になってしまいましたね)
【600万人】 さりげなくできるか、というプロ論(中村さん)
不自由な無人島で、さりげなく誰もが自分のすべき仕事をする。特に最後の脱出のところの淡々とした進行はすごいものがあります。16人しかいないので、全員が少しずつ「全員の命を支える」仕事に関わるわけですが、恩着せがましいことはありません。自分が同じ立場だったら「さりげなく」なんてできるだろうか、と考えてしまいました。
ジェントルマンシップと礼儀で強いチームを作る(谷川さん)
この物語は素直に一読した後に「実は島に着いた後は全員が裸で過ごした」という事実を旨に刻み込んでもう一度読むと味わい深いです。ジェントルマンシップってなんなんでしょう。
最後の谷川さんのところで触れましたが、この物語は屈強な男たちが16人、無人島で全裸で生活するというものです。その光景を頭に思い描いたら、人によっては感動できないかもしれません。私はところどころ「でもこのとき全裸なんだな」と気になって集中できない場面もありましたが、最後のところではその反動で強く感動しました。やはり帽子は大切だ、と。秋の夜長には短い話ですが、ぜひご一読下さい。