若者に昔話
このところ夏休みを利用したインターンシップの学生さんが交代でIT事業部のWEB-DBチームに来ています。お昼は会議室で社員が食事をしている中に混ざって、いろいろと話をしています。2〜3週間のインターンシップで技術的に劇的にUPすることはまずなく、それよりも、プロはどんなふうに仕事をしているのか、学生の頃はどうだったのか、就職はどういう感じに決めたのか、実際プロになってみたらどうなのか、今までの仕事で大変だったのはどんなことか、など、先輩の昔話というか、生き様を知って、自分の社会人デビューに向けてモチベーションを高めていくのがポイントだと思っています。
今日は、学生さんの方から「今までどんな仕事をやってきたのですか?」という質問があったので、私の学生時代から、CADシステムを開発していた頃、出向に出ていた頃、受託で大変な状態だったものなどを話しました。
「あの夏の思いで」に書いたような内容、たとえば3日間一睡もせずに作業した、というような話をすると、学生さんは目を丸くして驚きますし、メンバーが1週間家に帰らずに製品開発の仕上げに打ち込んだことなんかもビックリします。まあ、平和な学生時代を過ごしている人たちにとっては、想像もできないことなのかも知れません。
しかし、そういう話をしている私やメンバーは決して愚痴を言っているのではなく、むしろ、「あれはすごかったねぇ」と懐かしむような感じなのです。それがまた学生さんには不思議なようでした。
打ち込んでいる時は時間が経つのはあっという間です。気がついたら丸一日作業していたというような時は、必死に集中してやっているので、その時点では疲れたとか、飽きたとか、そういう間隔を持つ余裕はなく、後で振り返るととても充実した時間だったと思えるものです。
もちろん、実際は現場で問題多発で、お客さんから睨まれながら調整しているような苦しい状況のことも多いのですが、それでも、終わってみればお客さんとも一緒に苦労を乗り切った仲間という意識になるもので、その後も意外とお付き合いが続くことが多いものです。
簡単で誰でもできるような作業を、やらされ感を持った状態で続けていると、こういう感覚は芽生えず、時間の進みは遅いし、作業しながらも退屈で飽きてしまうようなことも多いと思います。そういう仕事とどちらを学生さんが魅力的と感じるのかはとても興味があるところです。
開発の仕事では、仕様書通りに作る仕事と、実現方法を試行錯誤しながら考えて開発する仕事があり、もちろん、そんなに綺麗に分類できるものではないのですが、取り組み方も苦しさも全く異なります。どちらが魅力的かは、人それぞれでしょうけれど、少なくとも誰でもできるものでない仕事の方が報酬も高いことは確かです。
ちょうど佐々木さんがそれに近い話題を紹介していましたが、経営レベルのハイリスクハイリターンまで行かなくても、一技術者としてもどういうタイプの仕事を選ぶかで、苦しさの種類も報酬も変わってきます。私の会社のようなところにきたインターンシップの学生さんたちが、2〜3週間で何を感じて、1年後の就職に向けてどう行動していくのか、とても楽しみです。聞く姿勢になっている時に、という前提はありますが、若者に昔話、は、とても役立つと思ってます。