私の考えるリスキリングと国の考えるリスキリングがかなり違うような気がしています
ITに強いビジネスライターの森川ミユキです。
こんな記事がありました。
5人に1人が「転職活動中」8人に1人が「副業」 若手社員の"赤裸々"仕事観
3年以内に大卒の新入社員の3割以上が辞める時代なので、そんなところだろうなと思う数字ばかりですが、最後のこの数字だけは、首を傾げざるを得ません。
"政府が力を入れている #リスキリング については、4人に1人が「現在取り組んでいる」(25.2%)、2人に1人が「近々取り組む/今後取り組みたい」(47.8%)"
あくまで私のイメージですが、「リスキリング」とは少なくとも10年以上の経験を詰んだ人がそれまでのキャリアに見切りを付けて、1から学び直す(アンラーニング→リスキリング)覚悟で取り組むというものです。
まあ3年だろうが1年だろうが、会社で学んだことを捨てて、1から学び直すというのはつらいとは思いますが、40歳前後の人たちのリスキリングとは比較になりません。そしてリスキリングが一番求められているのは30代、40代の人たちだと思うんですね。
ただこの記事のポイントは、「政府が力を入れているリスキリング」という表現です。
これをどう捉えるかで解釈も変わってきます。このような用例では、普通は「政府が力を入れている=リスキリング」といった同格関係が成り立つと思います。私も最初そのように読んだので、違和感を覚えました。
しかし「リスキリングにもいろいろあるがその中の政府が力を入れている(片手間でやれるような)リスキリング」という限定用法だったとしたらどうでしょうか?
岸田総理は、産休中にリスキリングをしなさいとのたまっておられましたが、彼の頭の中ではリスキリングとはその程度のものだということです。
彼は政府の代表ですから、政府の考えを述べているとみなしてかまわないでしょう。
それならよくわかります。きっと若い人たちもそのような意味でリスキリングを捉えており(政府がそう言っているのだから、若い人たちを責めるのはかわいそうです)、それでリスキリングに取り組みたいと言っているのでしょう。
いずれにしても勉強することは良いことだと思います。
結論としては、私の考えているリスキリングは大変な苦労を伴うものですが、政府の考えているリスキリングはなんか軽いもののようだということです。それで日本が復活するならめでたいことです。しかしそんなんじゃあ、ますます(以下自粛)。
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