「モノを通じてコトを売る」のか? 「コトを売ってからモノを売る」のか? いずれにしても両方売ろうという話です
デジタルとマーケティングに強いビジネスライター森川ミユキです。
前回、VUCA時代の新しい生き方といった類いの一見うさんくさそうだが実は真っ当な本の制作をお手伝いしていると書きました。
リスクを取れとか、リスクは分散せよとか、それぞれ正しいこともあるけれど正確ではありません
この著者さんがとてもいいことを言うなあと思ったのですが、「モノを通じてコトを売れ」と言うんですね。
クラウドファンディングなどを見ていたら良くわかるのですが、ファンディングすなわち資金調達ということで、以前は事業計画を提示して、それに賛同した人にリターンを約束して投資してもらうという形が一般的だったと思うんです。
まあ今もこういう形のクラウドファンディングは残っていますが、makuakeなんかを見ていると、モノ売りが多いなあと気づくわけです。「うちでこんな画期的な商品を作りましたので買ってください、早めに買うとお得ですし、そもそもお金を出した分、商品という確実なリターンがあるので損はしないですよ」という感じですね。「応援購入」というらしいです。
やっぱり質感・量感というものがあると人は安心する傾向が元々あり、コロナ禍でその傾向がいや増したと言うんですね。メタバースが苦戦しているのは、そのせいかもしれません。
ただモノ売りで終わってしまうと、今どきのマーケティングとしてはおいしくないわけで、モノでまず関係性を作ったのちに、一緒に事業を大きくしているみたいなコトがあるといいと言うんですね。
うん。理に適っている気がします。
それでいたく感動していたのですが、庭山一郎さんの『BtoBマーケティング偏差値UP』をパラパラと見ていたら、真逆の図が出てきました。図を無断転載するのは問題ありかもしれないと思ったので、リスクは取らず言葉で説明します。
ま、単純な話でして、BtoB営業というのは基本的にソリューション営業なわけで、先に課題を聞いて提案書を書くフェーズがあるでしょう?というのです。この段階でコトを売っていると言うんですね。その後機械とかツールとかシステム開発といったモノを売るんだと。
目からウロコですね。確かにそう。
これはBtoCとBtoBの違いなのでしょうか? そうかもしれません。が、もうちょっとケースを集めて分析しないと何とも言えないなと思いました。今日は残念ながら時間がございません。
1つだけ言えるのは、「モノからコトへ」と聞くと、「モノを売る時代は終わった。モノではなく体験を売れ」と私たちは捉えがちですが、モノがなければコトも売れないし、コトがなければモノも売れない、だから両方とも売る努力をせよ、ということです。「モノもコトも」が正解じゃないかと思います。
なんかスッキリしました、私は。
ところで何で『BtoBマーケティング偏差値UP』をパラパラめくっていたかというと、実は昨年にBtoBマーケティングの本を3冊立て続けにお手伝いしたんですね。そのときに日本のBtoBマーケティングがいかに遅れているか、逆に言えば伸びしろだらけなので希望は大きい、みたいな話を関係者全員から伺ったので、ちょっと書いてみようかなあと思ったのでした。改めて書きます。
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