直接の顧客とエンドユーザーの板挟みになったときの考え方とこんな板挟みは今どきないよという話
ITに強いビジネスライターの森川ミユキです。
情報ビジネス大手のRさんを取材したときに、クライアントとコンシューマーを区別しているというお話を伺いました。
Rさんは様々なサービスを展開していますが、たとえば旅行関連サービスですとクライアントは宿泊施設、コンシューマーは宿泊客になります。
このように直接のお客さまとエンドユーザーの両方がいるビジネスはけっこう多いです。
私のようなフリーライターでも、直接のお客さまは出版社や企業、エンドユーザーは読者になります。
消費財メーカーなら流通と消費者ですね。メーカーでもBtoBなら、直接買ってくださる会社とその先のお客さまが該当します。
ここで問題になるのは、すべてのお金はエンドユーザーが源泉なわけですが、自社にお金を払うのは直接のお客さまだと言うことです。
先ほどの旅行関連サービスでいえば、宿泊客は正しい口コミ情報が欲しい、しかし悪評が載ると宿泊施設は困ってしまうという利害関係の対立があります。このようなときにどちらの側に立つかで板挟みになることが多いわけです。
板挟みになったときに、どちらを立てればいいのでしょうか?
Rさんの答えは、「コンシューマー51対クライアント49」でした。できるだけどちらも立てる落とし所を考えながら、迷ったときはエンドユーザー側に立つという意味です。
ある担当者の行為が何対何でコンシューマー側だったかなど測定するのは不可能で、抽象的です。基準というより心構えに過ぎませんが、しかしこのような心構えがあるだけでも、ビジネスパーソンとして正しい選択ができるものなのでしょう。
私の場合でも、「これは発注者には都合がいいけれど、読者の役に立たない可能性がある」と葛藤することがあります。そういうときにどうするかと言えば、「読者の立場になって検討しませんか?」「読者にとってはこのほうがいいように思いますが」といった問いかけをするようにしています。
必ずしも私の意見が通るわけではありませんが、必ず良い方向に進みます。「そんなきれいごとを言うな」と言う人は、私の周りには幸いいません。
ところで似たような話ですが、昔は顧客と自社とで板挟みになったらどうするかという議論をしていました。1990年代の後半ぐらいです。
現実問題として、今でも板挟みになる人は多いと思います。しかし今どきこのような板挟みになるのであれば、自分の会社はブラック企業かもと考えるほうがいいかもしれません。
ブラックでなかったとしても、「そんなの顧客側だ」と即答できない会社は、正直ヤバいです。長くは持ちません。仮に持っても成長はありません。先細りです。転職先を探しましょう。
これはブランディングの本の執筆支援を数冊させていただいたので、わかります。
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