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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

井上ひさしは明治の文豪だったのか!?~昭和は遠くなりにけり

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ITに強いビジネスライターの森川滋之です。

Webの記事や広告に間違いが多いのは周知の通りです。僕もどんな間違いをしでかしているか心配で悪夢を見るほどです(マジで)。

数が多いこともありますし、指摘して揚げ足取りと思われる(以前、それに近いこともありました)のも嫌なのでイチイチ指摘したりはしません。ですが今日は、朝からちょっと考えこむような間違いを見つけたので、それについて書くことにしました。

国語という言葉は僕が生まれる前からあったはずだが・・・

問題の記事はこちらだ。

なぜ日本語ではなく国語と呼ぶ? チコちゃんの解説に驚きの声相次ぐ

ふんふん、なるほど、と読んでいたのだが、突如出てきた1文に僕の目は釘付けになった。

また、こうした理由とともに、井上ひさし著の「国語元年」という作品から「国語」という言葉が広まったとも解説。

え? どういうこと? ちょっと意味がわからないんですけど・・・

僕は昭和38年生まれだが、小学校に入った昭和45年には「国語」という教科があった。うちの両親は同い年で、どちらも6歳で終戦を迎えたが、たしか「国語」という教科を学んだと聞いた憶えがある。

つまり僕が生まれるはるか以前から「国語」という言葉は「広まっ」ていたはずなのだ。

一方、井上ひさしの「国語元年」(「國語元年」が正確か)は、昭和65年のテレビ番組(シナリオの書籍化は翌年)のことを言っているのだろう。

引用した文の意味がわからなくても無理はないと思いませんか?

1つだけ可能性があるとしたら、明治時代にも井上ひさしという文豪がいて、その人が「国語元年」というベストセラーを書いたということだ。一応調べてみたが、そのような事実は見当たらなかった。

平成生まれなら無理もないか

本当は、こういうことだったのだろう。

"こうした理由とともに、井上ひさしが「国語元年」という作品で、「国語」という言葉が広まった経緯を解説していることも紹介。"

僕はこの番組を見ていないので、実際にどうだったのかは分からない。だがこの番組は、モノを知らない人を叱りつける番組だと漏れ聞いている。高額の受信料を国民から受け取っているNHKがそのような番組で、引用したようなでたらめを言うはずがない。

なぜこんな間違いが起こったのだろう。おそらくは以下のようなことだったと推理する。あくまで僕の推理であり、裏は取っていない。

  • この記事を書いたしらべぇのライター氏は番組を見ておらず、伝聞で書いた
  • ライター氏は平成生まれであり、昭和はもはや歴史である
  • しらべぇの編集者も平成生まれであり違和感を持たなかったか、そもそも誰もチェックしていない

もし平成生まれのライターが書いたとしたら、ある意味仕方のないことである。

僕らの世代でも、明治・大正・戦前の昭和は一緒くたになっている。教科書に出てくるような文豪はみんな明治の人みたいなイメージを持っている。たとえば小林秀雄が昭和58年没と聞くと驚いたりする。

だから、けっしてバカにしている訳ではなく、平成生まれの人から見れば、明治・大正・昭和は一緒くただろう。井上ひさしを明治の文豪と勘違いしていても無理もないかと思うのである。

とはいうものの、せめて「井上ひさし 国語元年」でググるぐらいのことはすべきかなと思う。そして、しらべぇの編集部ももう少しちゃんとチェックする方がいい(というかWeb媒体は全般的に)。

まあ、みんな忙しいのかな。目くじらを立てているわけではない。あまり年寄りを驚かせないでほしいだけのことだ。

考えてみたら、もはや令和。昭和は遠くなりにけり。最後に宍戸錠さんのご冥福をお祈り申し上げる。

※なお、オルタナティブ・ブログは「ブログ」と明記してあるように、あくまでブログなので、IT Mediaサイドの編集や校閲が入ることはない。文責は完全に筆者にある。「しらべぇ」はブログではなくメディアだから編集者が存在するはずである。このあたりお間違えのないようお願いする。


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