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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

フリーランスといっても働きづめではない

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ITに強いビジネスライター森川滋之です。

フリーランスと聞くと、寝る間も休みもなく働いていると思っている人もおられるのではないでしょうか。

アフィリエイトとか物販などスケール可能なビジネスをしている自営業者と違って、フリーランスは労働集約ですからそのようなイメージがつきまとうかもしれません。

働いた分だけ収入が増えるのも確かですから、お金が欲しい人はそれこそ働きづめになるでしょう。しかし同世代の年収の平均には届かないかもしれないが、それよりも自由な時間の確保を優先したいと考えるのであれば、一般の会社員の労働時間よりずっと少なくてもなんとか食えます。

実際、昨年の上半期、私は自分の労働時間をつけたのですが、ブログを書くなど直接収入につながらない時間や移動時間などという仕事をしていない時間を含めても、月平均100時間程度しか労働していませんでした。

ただし100時間程度というのは、妻が会社員で子どもがいないから可能なことと思います。それでも、倍の200時間(残業30時間相当)も働けば、扶養家族がいても生活はできると思います。

しかし条件はあります。それは生産性が高いということです。

何だか身も蓋もない話になりそうですが、生産性を高めるためにいちおう工夫していることもあるので、お話しいたします。

生産性とは?

生産性を高めるという話ですが、そもそも生産性とは何でしょうか?

一般的には、産出量(アウトプット)を投入量(インプット)で割った数値です。労働現場では具体的に以下の2つを指します。

  • 物的労働生産性:生産量を労働量で割ったもの(評価するためには業界平均の労働量を知る必要がある)
  • 付加価値労働生産性:付加価値額を労働量で割ったもの(付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費)

私のようなフリーライターですと、物的労働生産性は、1,000文字の原稿を1本書くのにどれぐらいの時間がかかるかということになります。もちろんタイピングの時間だけでなく、取材や調査、構成検討、推敲などの全てを含んだ時間です。

付加価値労働生産性ですと、年間の付加価値額をどれだけの労働時間で稼いだかということになります。フリーランスだと人件費も減価償却費もゼロなのが普通ですから、付加価値額は営業利益とみなして構いません。

物的労働生産性が高いことも重要ですが、それ以上に付加価値労働生産性をどうやって高めるかが重要です。以下で生産性としか書いていない場合は、付加価値労働生産性とみなしてください。

得意分野で勝負する

では、生産性を上げるにはどうしたらいいでしょうか?

単純にいえば、2通りの方向性があります。仕事を速くできるようにする(物的労働生産性を上げる)のが1つ、単価を上げるのがもう1つです。もちろん両方上げるのがベストです。

であれば、得意分野で勝負することです。仕事も速くなるし、単価も上がります。

などと当たり前のことで恐縮なのですが、実際に働きづめになっているフリーランスを見ていると、どうも苦手なことをやっている気がしてなりません。

実は私も、逃げるようにIT企業を辞めた経緯がありましたので、できればIT関連の仕事をするのは避けたいと思っていた時期がありました。それであまり得意でない分野の仕事を優先的に請けるようにしていたのですが、やはり稼げませんでした。

だんだん分かったことは、やりたいことをやるよりも得意なことをやるほうが、発注者から感謝されリスペクトもされるということでした。そうするとこちらもだんだん気分が良くなりますし、評価も単価も少しずつ上がっていくこともあって、やりたいとかやりたくないとかいうのがどうでもよくなるのです。

それでさらに積極的になって、「ITに強いビジネスライター」というタグラインにしたところ、問い合わせがコンスタントに来るようになり、今に至っています。

得意分野で勝負することはもちろん、得意分野で勝負していることを端的に示すタグラインを考えるということが決定的に重要と感じます。

横展開する

私の場合、ITが得意分野ということになりますが、既存分野だけではやっていけません。積極的にこれから流行るであろう新分野に取り組んでいかないと、仕事がなくなってしまいます。

そこで、できるだけ新しい分野の仕事を取るようにしています。

最初は労働時間が増えますし、書籍を買うなどコストもかかります。しかし1つか2つの案件をこなせば、かなりの知識のストックができ、新分野なのである程度突出した人になれ、仕事が取りやすくなります。同じテーマでいろいろと書くことで、1本の原稿にかかる時間もどんどん減っていきますし、質も上がっていきます。

つまり、最初に少しコストをかけて勉強し、それ以降は同じテーマで横展開していくのです。

横展開という意味では、新分野ではないけれど、ある分野に関してはものすごく広く深く極めていくというやり方もあるでしょう。どちらを選ぶかは、性格によります。

取引先を選ぶ

もう1つ、フリーランスにとって決定的に重要なことは、取引先を選ぶということです。

仕事がないと不安だというので、相手を選ばずに仕事を取ると、それこそ働きづめになってしまいます。そして、いろいろな意味で、ストレスが大きくなっていきます。

こういう相手とは取引してはいけません。

  • 方針をきちんと決めず、指示が曖昧(つまり丸投げ)
  • 担当者のスキルが低く、何でも頼ってくる
  • 意味もなく対面の打ち合わせをしたがる
  • こちらから言わないといつまでも請求書を出せないなど事務処理に問題がある

こういう取引先だと、手戻りが多くなりますし、無駄な時間も増えます。つまり労働時間が増えてしまいます。そうだと分かったら、なるべく早く縁を切ることです。

また担当者や責任者が人間的に合わなければ、やはり取引を打ち切るべきです。会社員だと難しいことですが、せっかくフリーランスになったのに、こういう人と付き合っているのでは、何のためにフリーランスになったのか分かりません。

「仕事を選べるようになったから、そんなことが言えるのだろう」とおっしゃるかもしれませんが、私はライター業をはじめた当初から、取引先を選んできました。それで一時的に仕事がなくなって絶望的になったことも何度かあります。しかし長い目で見たら、取引先の選り好みをして良かったと思っています。


最新のIT動向やITのビジネスへの応用について、経営者などビジネスパーソンに分かりやすく伝えることができるライターです。

最近いただく主なテーマは下記の通りです。

  • AI関係(機械学習、ディープラーニング、RPAなど)
  • デジタルトランスフォーメーション(DX)、デジタライゼーション
  • デジタルマーケティング
  • ビッグデータとアナリティクス(BI、BAなど)
  • 製造関連ICT(IoT、自動運転、予防保守、スマート工場など) など

大手SI企業の基盤&ネットワーク技術者でしたので、インフラ&システム運用関係のテーマにも対応できます(クラウド、データセンター、バックアップ、レプリケーション、HCI等々)。

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