「そんな与太話が信じられるか」
ITに強いビジネスライターの森川滋之です。
私は1987年に某システムインテグレーター(という言葉はまだなかった気がしますが)に入社しました。
その頃は、まだ汎用機全盛の時代で、8インチのフロッピーディスクも残っていました。
入社した年の新人研修では、コーディング用紙にプログラムを書いて、それをキーパンチャーに入力してもらった記憶もあります。
そういう時代からITに関わってきたので、デジタル・ネイティブと言われる世代の人たちとは時々話が通じません。
以下の話は、それでもまだ現時点では、若い人にもなんとなく分かってもらえると思います。
しかし、私の同世代(45歳ぐらいまでを含む)の人が、20年後にお孫さんに話したら、結末のような憂き目に遭うのではないでしょうか。
--
おじいちゃんが若い頃にはな、フロッピーディスクというのがあってなあ、9センチ四方ぐらいの薄い板に、だいたい1メガバイトのデータが入れられたんじゃ。
え? 1テラバイトの間違いじゃないかって?
いやいや。おじいちゃんもさすがにそこまでボケちゃいないぞ。
そんなんでも、その前のはもっとサイズが大きいのに容量が少なかったもんじゃから、当時はみんな喜んで使っとったんじゃよ。
1メガじゃ、写真1枚さえ入らないかじゃと? 昔の写真データは小さかったんじゃあ。
それにデジカメも普及しとらんかったしな。カメラメーカーも、デジカメみたいなおもちゃはそのうちなくなる、プロはアナログカメラを使い続けると言い張っちょった。
ん? 「バカなの?」じゃと? いや、ちゃんと立派な大学を出た大企業の社長さんがそうおっしゃっとったんじゃ。
まあ、脳みそにカビでも生えちょったのかもしれんな。
でその頃、Windows 95というパソコン用OSが出てきてな、それがフロッピーディスク30枚ぐらいあったんじゃ(※)。
ワシらは、フロッピーディスクを1枚1枚入れ替えながら、インストールしたもんじゃった。
何っ? じじい、やっぱりボケたか、だとぉ?
そんな与太話が信じられるか、って言われても事実なんじゃ。
そんなめんどくさいことをするアホがどこにいるか、って? 外付けCDが買えない貧乏人はそうするしかなかったんじゃ。
第一、OSのサイズが30メガバイトしかない(※2)のが信じられない、ってか?
何を言う! そのちょっと前までは、DOSというフロッピーディスク1枚に入るOSもあったんじゃあ!
お、おい、何する、どこに連れていく、何じゃ、この救急車は、ワシはマトモじゃ、ホントの話じゃ、おい、おい、おいってば、信じてくれい、おーい・・・
--
ITに関する昔話は、同世代とだけにしておくのが無難だと思いますね。
もしかしたら、OSという概念自体がなくなっているかもしれませんし。
なお、こんな話し方をする年寄りはどこにもいません。分かっていますが、表現のあやということで、ツッコまないようお願いいたします。
※すみません。正確な枚数は覚えていません。
(追記) Facebookの友人から「Windows 95のフロッピー版なんてありましたっけ?」というコメントがあり、自分の記憶にもはや自信を持てない私は、恐ろしくなって調べました(←最初から調べとけ)。
http://island.geocities.jp/cklouch/column/sofmus/win95.htm によれば、通常版で21枚、アップグレード版で20枚、他の記事も総合するとさらにドライバーディスクが3枚付属していたようです。
過去の記憶はやはり盛られるものですね。申し訳ありません。
ちなみに2年後ぐらいに、仕事でUNIXのスキルが必要になり、自習用に古いPCにLinuxをインストールしたことがあります。このときはテレホーダイ(!)で、京大のサイトからSlackware(たしか3)をダウンロードしてきて、フロッピーディスクにコピーしました。このときの枚数は30枚を軽く超えていたと思います(調べたけど、見当たりませんでした)。
ところで、フロッピーディスクも3.5インチしか知らなければ、何でこれを「フロッピー」(だらりとした、やわらかい)と言うのか、さっぱり分かりませんよね。
※2 考えてみたら(考えるまでもなく)OSのサイズではないですよね。失礼しました。ただ、どちらにしても昔のOSは今よりずっとコンパクトでした。
▼お仕事のお問い合わせはこちらへ
▼セカンドライフについて真剣に考えるITエンジニアが相談し合える場を作りました
https://www.facebook.com/groups/143401056342545/permalink/143401819675802/