ここ3年ぐらいのITの変化は急激
ITに強いビジネスライター森川滋之です。
桜の季節で仕事が手に付きません。忙しいのを理由に断った仕事があったのですが・・・。まあ、どちらにしろやれなかったので一緒ですね。
ちょっとお知らせを。
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97ページ分(全体の44%)読めますので、お暇ならどうぞ。ただ電車で読むのはお勧めできません。
● ITライターとしての仕事の内容が急激に大きく変わっている
さて。
昨年末ぐらいから今年に掛けて、仕事の内容が変わってきました。それまでは、セキュリティとかRFPの書き方とかERPとかレガシーなテーマが多かったのですが、最近はロボティクスとかビッグデータとアナリティクスとかAIとかIoTとかそんなのばかりです。
実は2015年に、文字認識に関しては日本のトップランナーの著書制作をお手伝いしました。そのときにWatsonやディープラーニングについて教えてもらい、「これは面白い、この手の記事を書きたい」と思っていました。
それで、某ビジネス系IT媒体(IT Mediaではありません)の編集長に書きたいと言ったら、鼻で笑われてしまいました。当時は、そんなテーマは技術系の有識者に依頼する内容だったんですね。
それがようやく、僕のような企業のリーダークラスや情シス向けのコンテンツを書いている人間にお鉢が回ってきた――つまりビジネス現場に浸透しつつあるということのようです。
● ビッグデータ、AI、IoT等に関心がないとやばい感じ
僕の場合は技術者よりも、ユーザーかユーザー部門に行くコンサルタントに取材することが多いので、先進企業ではあるのでしょうが、それなりに現場感のある話を聞くことが多いです。
前述した通り、2015年にはその手の取材の仕事はありませんでした。
2016年中頃になってHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)関連のベンダーから、IoT用途の組み込み型AI製品の販促コンテンツ制作の依頼が来ました。
本件はユーザーと言ってもエンジニアなので、先端事例と言えます(とはいえ、エンジニアが最新技術に疎くなっている上司に稟議を上げるために使ったりするものなので、内容はマネージャー向けです。なので僕に依頼が来たのです)。
つまり2016年夏には、まだ先端事例しか(僕のところには)来なかったのです。
これが11月ぐらいになると、ロボティクスを一般ユーザーおよび決裁権限者向けにという話になります。事例も先端事例だけでなく一般的な事例が入ってきます。
そして今年2月になると、ビッグデータとAIというテーマで、事例も一般的な事業部門のものが主になりました。
もちろん、現時点でAIに取り組んでいるユーザー企業は先進的と言えますが、何となく急激に潮目が変わってきている感じがしないでしょうか?
僕の経験上の話であり、一般化するのは行きすぎと思いつつも、2015年には影も形もなかったものが、2016年夏にはポツンと出現し、2017年春までにはある程度一般化してしまった。
クラウドの普及を思い出すと、倍ぐらいのスピード感で進んでいる感覚です。
ですので、導入するしないは別として、ビッグデータとかAIとかIoTとかに関心がなく、情報収集さえしていない企業は規模に関係なくやばいなあと思います(あくまで個人の感想ですが)。
● とはいえ正直何もできていない
先端のITについては、自分には関係ないと思わず、情報収集ぐらいはしましょうと言いましたが、まだまだ導入に踏み切る必要もないかなというのが取材を重ねた実感です。
ビッグデータに関して言えば、現在はデータの整備段階というのが実際のところです。先進ユーザーのおかげで、データレイク構築ツールの使い勝手がどんどん良くなってきている状況でしょうか。
AIは、ビッグデータがまだこのような状況ですから(ご存知のように学習用にビッグデータが必要です)、ほとんどのプロジェクトはPOC(概念実証、実証実験)段階です。
日本有数のSI企業のコンサルタントが「早く永遠のプロトタイプから脱したい」と嘆いていました。これが、現状を言い表し尽くしていると思います。
「この状況は2017年も続き、来年で少しは変わるかなあ」というのが、取材したコンサルタント全員に共通する見方でした。
一番進んでいるのがIoTで、こちらは予防保守などで実績が出てきています。ですので、中小企業でも工場を持つ会社は、少し危機感を持って情報収集に取り組むほうが良さそうです。
● IT投資もシステム開発方法も大きく変わりつつある
一方、ITベンダーにとっても大きな変化が、数年以内にやってきそうに思います。
というのは、まだまだ先進企業だけですが、IT投資の考え方も、システム開発方法も大きく変わってきているからです。
主にベンチャーですが、勢いのある企業は、基幹業務システムはPCパッケージかクラウドで最低限のコストに抑え、その分卓越したビジネスモデル実現のためのIT投資、すなわち「攻めのIT」への投資には金を惜しみません。
「攻めのIT」は長くても3カ月程度でリリース――、ではなく結果を出さないといけないので、導入方法はDevOpsということになります。
このあたりはまた詳しく書きたいと思っていますが、おそらく多くのベンダー系ITエンジニアには、どこの国の話?という印象かもしれません。ですが、数年でこちらが主流になる可能性はあると思います。
僕は別に予言者ではないし煽るつもりもないので、全くの老婆心から言うのですが、そういう世の中になってから慌てなくていいように、もっと情報収集&勉強はしておくほうがいいかなと思う次第です。
結論は、いま世の中(特にIT関係)は大きく変化しているので、利用側も提供側も、情報収集だけはしっかりとやりましょう、ということです。
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