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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

【次世代PR試論】広告の仕様書を作る(3)

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僕独自の方法論で、企業に対して広告の仕様書(オリエンシート)作成を支援している。その方法論について述べる3回目。

最近はこの手の引き合いが結構増えているが、景気が良くなって広告宣伝費はあるのだが作り方が良くわからない、でも相談できる相手が不足している、という状況なのだろうか?

それはさておき、今回からはいよいよメインの方法論である「商品軸」の作り方に入る。

●商品軸とは?

僕は、「"誰に"・"何を"・"なぜ"提供するのかを言語化したもの」を「自分軸」と呼んでいる。元々は、個人事業主やミニ企業の経営者、あるいは起業志望者がビジネスを見直すきっかけを作るために始めたものだった。

ところが、だんだん商品のマーケティングや、事業計画作り、組織のビジョン作り、あるいはチームビルディングなどにも効果があることがわかってきた。どれも「誰に」・「何を」・「なぜ」を言語化することで、関係者の一体感が生まれ、いい方向に動き出すのである。

以前は、どれも「自分軸」と(頑固に)呼んできたのだが、それでは分かりづらくて上司の承認がおりないという会社があったので、内容に合わせて「商品軸」、「事業軸」、「組織軸」、「チーム軸」などと呼び替えるようになった(全部まとめたいい表現はないかと長年探しているのだが見つからない。「軸」作りのコンサルタントでは、何だか工業部品の製造の専門家のようである)。

「商品軸」は、すでにお分かりのだと思うが、商品マーケティングのために、ある商品に関して「誰に」・「何を」・「なぜ」提供しているかを言語化したものである。

僕が長年支援している埼玉県の製造業では、「商品軸」をまとめ直し、それをベースに「ぶれない」広告・PRを続けたところ、ネットでの売上が好調になったと評価してくれた。

広告に一貫性があるということは、結構高い評価ポイントなのである。商品軸の最も大きな効果だといえる。

●この順序が大切

前々回に掲載した図を再掲する。

2014032601.png

商品軸を考える際の順序だが、疑問に思った人はいないだろうか?

僕は「"誰に"・"何を"・"なぜ"提供するのかを言語化したもの」を商品軸と呼んでいる。なのに、考える順番は「なぜ」、「何を」、「誰に」の順序である。なぜなのか、と。

実は、以前は「誰に」、「何を」、「なぜ」の順に検討していた。その後、毎回4名が定員の3時間の「自分軸作成ワークショップ」を十数回開催して、この順序が良いことがわかってきた。

いきなり「誰に」とか「何を」とか聞かれても即答できる人は少ない(「誰に」・「何を」の詳細は次回以降に書く)。ここから始めるとどうしても時間がかかり、3時間後少し消化不良気味になった。

だんだんやっていくうちに、「なぜ」を深堀りしたあとにもう一度「誰に」、「何を」を聞着直すとスラスラ出てくることがわかった。そこで、「なぜ」から聴き始めたところ何も問題はなく、そのうえ時間に余裕ができるため、参加者の納得感も高まったのであった。

それ以降の順番は、「何を」が決まれば「誰に」は考えやすい(ほぼ自然に決まる)が、逆はレアケースだとわかったのでこのようにした。

個人セッションならまだしも、企業では関係者全員を長時間拘束することは難しく、SWOTと商品軸作成をそれぞれ2時間でやって欲しい(ワークショプ以外にも商品説明を受ける時間も含めただ)という厳しい要望をいただくのが普通だ。

それに応えるために試行錯誤した結果の順番なのだ。

今回は、商品軸とは何かと考える順序について説明した。次回は、「なぜ」の考え方について述べたい。

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Comment(2)

コメント

野崎 宏

森川様

いつも教えていただいてばかりで申し訳ありません。

自分軸は、ほんとうに他の分野(と思われている領域)でも
とても有効に機能するんですね。
改めて、自分軸のシンプルな検討プロセスの力に驚きます。

なぜの部分、これから入るのは、とても納得できます。
やはり、なぜは、自分なり、自分たちなり、チームのメンバーなりの
人の思いに寄り添う考察で、それによって、
誰、何、人の思い、それらのトライアングルをしっかりとつくるための
土台は、やっぱり人の部分でしょうから。

今回もありがとうございます。

森川滋之

コメントありがとうございます。
 
とても励みになりました。

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