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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

自社のPRには2種類の小冊子

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最近、小冊子執筆の引き合いが増えている。

打ち合わせをして思うのは、小冊子制作の初歩的なことがあまり知られていないということだ。

そこで、今回はその初歩的なことを書こうと思う。

●小冊子の企画においても自分軸の考え方が有効

僕は、「誰に・何を・なぜ」提供するのかを言語化したものを自分軸と呼んでいる。

小冊子の企画においても、自分軸を明確にすることが有効である(下図)。

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今回、2種類の小冊子を作ることを推奨している。ノウハウ系と理念系だ。その両方においてターゲット、つまり「誰に」を明確にすることが重要である。

企業で小冊子や事例取材の打ち合わせをしていると、この「誰に」が明確になっていないことが意外と多い。

「これは、誰に向けて書くのですか?」と聞いても、明確に答えられない担当者がほとんどである。「見込み客にです」というような答えが圧倒的に多い。

それはもちろんわかっているので、その「見込み客」とはどういう人あるいは会社なのかを具体的に詳しく聞き出すことになる。

法人相手なら、業種・業態・規模・エリアなどの属性と、課題・悩み・理念などを聞いていく。もちろん全ての項目が明確になっていなくてもよいが、できるだけ絞るほうがよい。

面白いことに絞れば絞るほど、反応する人が増えてくる。

こちらはAND条件で絞っているのだが、相手はOR条件で捉えることが多いからだ。自分に当てはまることが一つでもあれば、とりあえず目を通して見ようということになる。

ヤフオクの達人も同じようなことを言っていた。彼女は、娘の服が着られなくなるとヤフオクで売る。そのときに「女児用ワンピース」などというタイトルでは売れないらしい。検索すると大量にリストが出てしまうからだ。何百件というリストの中に埋もれてしまうことになる。

「女児用ワンピース 七五三用 ピンク 3歳 リボンつき」などと詳しくタイトルをつけるほうが、出てくるリストの件数が少ない。このぐらいにすると数件になる。競争相手が減るので売れやすいのだそうだ。

ターゲットを絞ることを恐れてはいけない。

●専門性と思いの両方が必要

ターゲットが明確になったら、小冊子の内容の吟味をする。

その際に重要なのは、専門性(「何を」)と思い(「なぜ」)の両方のアピールが必要だということだ。

専門性がなければ、そもそもビジネスとしては成り立たない。思いがなければ、信用を得るのに苦労する。

この2つを同じ冊子に書いてもいいのだが、できれば2冊に分けることをお勧めする。

というのは、使う局面を変えるほうが有効だからだ。

専門性をアピールするためには、ノウハウ系の小冊子を作ることとなる。リフォーム会社であれば、「猫と美しい家に暮らすための15のポイント」などというのがいいかもしれない。

これなど本当にあれば、読みたい人は多数いると思う(僕はとても読みたい)。

ノウハウ系の小冊子は、このようにアクセスを集めやすいし、「今すぐ客」にも届きやすい。よって一気に売上を増やしたいときにはぴったりである。

ノウハウ系の小冊子の場合、重要なのは詳しさだ。誰もができるレベルまで親切に詳しく書く。

●ファンを増やすなら

しかし、「今すぐ客」が来てくれたとしても、それだけではビジネスは難しい。ファン、すなわちリピーターを増やすことがビジネスを安定させる基本だ。

それには、理念を語ることが有効だ。

先ほどのリフォーム会社の例でいえば、なぜ猫の飼育に適したリフォームをしているのかについて書くことになる。

たとえば、猫を飼っていたのだが、赤ちゃんが生まれた。喘息の症状が出てきたので、最初は猫アレルギーだと思っていたのだが、調べてみたら猫が壁をひっかい たときに出る粉塵が原因だった。それで、猫を泣く泣く手放したのだが、その後猫がひっかいても粉塵が出ない壁紙の存在を知り、自分たちのような悲しい思い をする人たちを一人でも減らそうと内装リフォームを始めた。

以上は、フィクションだが、こういうようなことを書く。

自分で語っても構わないが、一番いいのは顧客に語ってもらうことである。泣く泣く猫を手放そうとしたが、あなたの会社のことを知り、手放さなくて済んだ、感謝しているというようなことを語ってもらう(もちろん事実であることが必要だ)。

それに対して、セリフ的に自社の声を挟むのも手である。「私は本当に手放すことになりましたが、○○様がそうならなくて本当に良かったと思っています」。

理念系の場合、重要なのは丁寧さだ。いいことをしていれば簡単な言葉で伝わると思う人が多いようだが、それだとどこの会社も似たり寄ったりになってしまう。

そうではなく、具体的なエピソードを書いたり、読者の疑問に先回りしたりする。懇切丁寧であることが必要だ。

以上、初歩的な話ではあるが、何らかのヒントになれば幸いである。

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