「誰に・何を・なぜ」を決めるとビジネスが動き出す(1)
何をしている人かよく分からない人と言われているに違いない(誠ブログでは)森川です。
実は、誠ブログが始まった2010年4月に、私は「突破口を開く自分軸マーケティング」というタイトルで書いていました。
http://blogs.bizmakoto.jp/toppakoh/entry/49.html
「誰に・何を・なぜ」提供しているかを突き詰めて考えると自分の軸が生まれます。ただ、一人で考えているとなかなか難しい。その発見支援をやろうという志でした。
その後事情があって、いろいろと横道にそれました。自分軸のことも忘れかけていたのですが、あるきっかけで2012年5月に、もう一度自分軸の発見支援をやろうと決意しました。
それからメルマガを開始し、また定期的に自分軸発見のためのワークショップを開催してきました。昨年末からは自分軸ナビゲーター制度というものを作り、私以外にも自分軸の発見を支援できる人材の育成も始めました。
ようやく、人様のお役に立てそうになってきたので、初心に戻って自分軸について書くことにしました。
それで、2013年4月10日に管理人さんにお願いして、「価値と信用を高める自分軸入門」というタイトルにしてもらいました。
■ やれることをすべてやっていたのに低迷していた |
「誰に・何を・なぜ」提供しているのか?――こんなことを突き詰めて、人生好転するのかという疑問はあるでしょう。
それに対しては、まず僕自身が好転したという事実をもって答えたいと思います。
2008年、僕は会社を設立しました。法人相手にコンサルティングをしようと思っていたら、それなら自分も法人でないと難しいよという友人のアドバイスに従ったのでした(その後、個人でも僕が思うようなビジネスならできると分かり、法人であることに伴ういろいろな業務が面倒なこともあって解散しました)。
そのときのビジネスモデルは下図のようなものでした。
このモデル自体は間違っていません。実際このモデルで、のちに仕事が取れるようになりました。
ところが、会社設立当初はまったく仕事が取れませんでした。もちろん、すぐに仕事が取れるモデルではありません。ただ、当時すでに出版していましたし、セミナーの集客経験も多少ありました。数ヵ月で動き出すと思っていたのです。
出版・連載の仕事もありましたし、自主開催セミナーも少ない定員ながら集客できていました。問題は、コンサルの仕事がまったく来ないことです。来る気配もありませんでした。
■ 自分軸発見支援をはじめたきっかけ |
なぜ、こうなってしまったのか?
答えは簡単でした。
「出版・連載」という部分では、私はSEのビジネススキルや考え方について主に書いていました。ところが「メルマガ」と「セミナー」では、別のことを教えていました。しかも、「コンサルティング」については過去経験のあったITコンサルをやろうとしていました。
これでは、矢印で示したサイクルが回るはずがありません。
ところが渦中の私は、そんなことにも気付かなかったのです。それどころか、「やれることは全部やっている」のに、なぜ仕事が来ないのだろうと疑問に思っていたのです。
当時、水口健次先生(故人)のセミナーに参加する機会があり、先生に指摘されてはじめて気がつきました。
ただ、その後も何に集中したらいいのかよく分からずにいました。
そんなときに、何の気なしに参加したセミナーで、「誰に・何を・なぜ」提供しているのかを考えるワークがありました。
そこで、はっきりと答えが出ました。
その頃、営業コンサルタントである吉見範一氏と当時知り合ったばかりでしたが、彼のコンテンツに賭けてみようと思ったのです。
見直したビジネスモデルは下図のようになりました。
その後、私はITエンジニア向けの営業本と『奇跡の営業所』という吉見氏の経験をもとにしたビジネスストーリーを出版して、ようやくこのサイクルが回りだし、V字回復を果たしました。
なお、上図のサイクルの真ん中に書いた赤字の部分が「誰に・何を」です(「なぜ」ももちろんありますが、上図では割愛しています※)。これは、サイクルの中心に軸ができたので回りだしたということです。そこで、私は、「誰に・何を・なぜ」を自分軸と名付けました。
お分かりのように、「誰に・何を・なぜ」というのは私のオリジナルではありません。
ただ、私が参加したセミナーでは、どうやってこれらを考えるのかという方法論は説明されていませんでした。なので、30人ぐらいいた参加者のうち、実際に作れたのは私も含めて2、3人でした。
そこで、誰でも作れる方法論を開発したら、人様のお役に立てるのではと思ったのです。
※このときに「なぜ」は、「2004年から2005年にかけてまったく売れない営業マンをやっていたのだが、当時の自分のような人を助けたい、そして吉見氏のコンテンツなら必ずできるから」というものでした。
■ 聞いていただけの社長もV字回復 |
その後は仕事が取れだしたので、自分軸のことはしばらく放っておきました。
1年ほど経った2009年の中ごろに、吉見氏のコンテンツだけでなく、自分のコンテンツも世に問いたいと思い、改めて自分軸について整理し直しました。
そして、知人の社長にお願いして、彼の会社(A社)で無料で研修をさせてもらいました。
そのときに、内容が良ければ他の法人に営業してほしいと、これも知人の研修会社(B社)社長を呼んで見学してもらいました。
A社社長の好意で全社員(15名)を参加させてくれました。無料といっても、全社員を1日半拘束することになるので、とても責任が重い。このプレッシャーが良かったのでしょう、予想以上に好評をいただきました。
それよりも驚いたのが、数ヵ月後にもらったB社社長のメールでした。
B社は、リーマンショック以降、かなり業績が落ち込んでいました。研修の企画を持っていっても提案さえさせてもらえない状況が続いていたのです。
それが、A社でのセミナーを見学していて、自社の自分軸も作り直そうと思ったのだそうです。そうしたら、提案どころか仕事が取れるようなったとのこと。メールには感謝の言葉が並んでいました。
聞いただけの人でも作れるのなら、これは方法論としていけるかもしれないと思うようになりました。
ちょっと長くなりました。次回に続きます。
記事に共感した方は、ぜひ下記のサイトにもお立ち寄りください。