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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

「明るいレンズ」って???――これだけは知りたいカメラの初歩

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「カメラって難しい」と思う人は多いのではないだろうか。

もちろんプロのような写真をコンスタントに撮るのは、我々アマチェアには無理だ。そういう意味の難しさではない。

興味はあるけど、こんな会話についていけなくて、カメラはどうも・・・と思い込んでいる人が多いようだ。

「明るいレンズが欲しくて、つい買っちゃったよ」

「"明るい"ってどんな意味?」

「いや、だからさ、F1.4ぐらいのさ・・・」

「???」

こんなことでカメラをあきらめるならもったいないことだ。

 

カメラの基本原理はまったく難しくなく、だからこそカメラは奥深い。

奥深い部分は練習し、場数を踏むしかない。ただ、基本原理は1時間もあれば分かる。

僕はプロやハイアマチェアではない。取材時の撮影などで、Webやパンフレットに掲載できるそれなりの写真を撮る程度だ。なので、奥深い部分について語る資格はない。ただ、カメラの基本原理ならお伝えできる。

良い写真を撮りたいと思うのなら人に聞くのが一番だが、相手は今回の記事に書いてあるようなことは当然知っているものと思っている場合が多い。人に教わるときに役に立つだろうと思う。また、写真に関する奥深い記事の理解にも役立つだろう。

なお、今回書いたことは、カメラの入門書には書かれていることである。しかしながら、入門書4冊とカメラのマニュアル3冊を読んでようやく分かったということも付け加えておきたい。意外とまとまっていないのだ。

 

最重要の3つの数値

 

カメラで一番大事なことは、どうやって適正な露出(カメラに取り込む光の量)を得るかということだ。

これは、コンパクトデジカメ(以下、コンデジ)やスマホでしか写真を取らない人は普段まったく意識しないことだろうと思う。カメラのほうで自動的にやってくれるからだ。

しかし、それではプロやハイアマチェアの撮るような雰囲気のある写真を撮るのは難しい。逆に露出について理解すれば、小洒落た写真ぐらいならすぐに撮れるようになる。

撮影した写真の明るさは、絞り値×シャッター速度×感度で決まる。「うわ、いきなり」と思ったかもしれないが、これだけ憶えればあとは簡単なのでついてきてほしい。絞りやシャッター速度がそもそも何のためにあるかは後述する。

このうち特に重要なのは、絞り値とシャッター速度の関係だ。

2012111401.jpg

上の図の、下側の濃い三角形に注目してほしい。「適正露出」と吹き出しをいれてある直線がある。

これは、あなたが適正と思う露出を得たいときの、シャッター速度と絞りの関係を表している。

 

絞りについて

 

シャッター速度は分かると思うが、絞りがわからない人がいるかもしれない。

カメラのレンズというのは、入ってくる光の量を調節できるようになっている。人間の瞳孔と同じようなものだと思えばいい。

絞りを開けば入ってくる光が増え、絞れば減る。絞り値という表現から分かるように、絞れば絞るほど値は大きくなる。

絞りに関して憶えてほしいのはここだけ。絞れば絞るほど値が大きくなるということ。

絞り値を表すのがF値だ。F2.8 とかF5.6とかF11とか中途半端な数字が並ぶ。これがカメラを難しいと思わせている原因だ。

しかし、何てことはない。この数字の意味を考えるのは、とりあえずやめよう。

数値が大きければ絞っている状態。小さければ開いている。一番使われるのは、F5からF8ぐらい。それだけ分かれば十分である。

なお、絞りを開ききったときのF値を開放F値という。この値が小さいほど「明るいレンズ」と言われる。先ほどのF1.4というのはかなり明るいレンズであり、ホテルのバーのような暗いところでもストロボなしで雰囲気のある写真が撮れる。

 

シャッター速度と絞りの関係

 

絞りの説明にずいぶん時間がかかった。主題はシャッター速度と絞り値の関係だった。

絞れば絞るほど光が入ってこなくなる。すると適正な露出を得ようとすればシャッター速度は遅くならないといけない。少ない光の量をシャッターを開いている時間を増やすことで補う必要があるからだ。

当然、絞りを開放すればするほど、シャッター速度は短くて済む。

絞り値が大きいほどシャッター速度は遅くなる。絞り値が小さいほどシャッター速度は速くなる。

この関係をまず頭に叩き込んでほしい。 先ほどの図は、この関係を示している。

 

感度は少ない光の量でも反応できる能力

 

最近のコンデジは以前に比べるとかなり性能の良いレンズを搭載しているが、(ズームでないときの)開放F値は3.5ぐらいだ。それなのにかなり暗い場所でもストロボなしで撮影できる。

これは、自動的に感度を上げているからだ。

感度というのは、少ない光の量でも反応できる能力のことだ。元々はフィルムの性能を表すものである。

ISO 100とかISO 400とか、言葉は聞いたことがあるかもしれない(大昔はASAと呼んでいた)。

数字が大きくなるほど感度が高い。つまり、少ない光の量でも写真が撮れるフィルムということになる。

デジカメにはフィルムはないがフィルムに相当するものがある。その部分の感度を電子的に調整する機能がある。

ブレのない写真を撮ろうと思ったらシャッター速度を速めるしかない。だったら、光の量が足りなくてシャッター速度が極端に遅い場面では感度を高めればいいということになる。先ほどの図は、このことも表している。

ただ感度を高めるというのは、カメラに無理をさせていることでもある。ノイズで画像がざらつくなどのことが起こる。

なので、いたずらに感度を上げることに反対するプロやハイアマチェアも多数いる。ところが、デジカメの進歩はものすごくて、いまではISO 10000を超える感度のカメラがある。このぐらいになるとISO 3200ぐらいでもほとんどノイズがないようだ。

暗いところでの撮影がしたい人には、できるだけ最高ISO感度の高いカメラを買い、ISO 3200ぐらいまで感度を上げる撮り方もありだろうと思う。

 

絞りとシャッター速度の効果

 

3つの数値のうち感度は分かりやすい。暗ければ(限界はあるが)感度を上げればいいということだ。

シャッター速度も分かりやすい。遅ければ光の量は増えるし、速ければ減る。

だったら、この二つで何とかなりそうなものである。しかし、現実には絞りというものがついている。なぜ開放F値だけではダメなのだろうか。これだけあれば、シャッター速度も一番速いわけで、ブレも最小になるはずだ。

元々なぜ絞りがついたのかは、ちょっと調べてみたのだがよくわからなかった。ただ、明らかに絞りが欲しくなる理由はあるので、それについてお話しする。

自分の目で試してほしいのだが、目を凝らすとピントの合う範囲が広がる。逆に瞼を広げるとピントは一点に集中し、他はボヤーっとするはずだ。

2012111003.jpgカメラの絞りでも同じことが起こる。絞るとピントの合う(正確には合っているように見える)範囲が広がる。近くのものも遠くのものもピントがあっているように見える写真が撮れる。逆に開放すると、一点にピントがあい、あとはボヤーっとした写真が撮れる。

狙う効果にもよるが、一般的な使い方では、風景写真などは広くピントが合っているほうがいいし、人物写真や花の写真などは被写体にだけピントがあってあとはぼやけているといい。

絞りは、このような効果を狙うために使われている。

先ほど、シャッター速度は簡単と書いたが、実はこれにも狙う効果がある。

シャッター速度が速いほうが手ぶれは少ない。それもあるのだが、主に動いている被写体に対して、動きのある写真にするのか、止まって見える写真にするのかで調整するのが普通だ。

言うまでもないことだが、シャッター速度が速ければ止まって見えるし、逆だと動きが分かる。

シャッター速度と露出の両方があることで、多種多様な表現ができるということなのだ。

 

レンズに関して

 

レンズは、カメラの最重要部分であり、それこそ奥が深い。ただ、初歩の段階で憶えるべきことは意外と少ない。

カメラのレンズには、広角と望遠の2種類がある。その中間あたりに標準と呼ばれるものもある。数値的に厳密な区分があるわけではない。ただ目安はある。

レンズの仕様を見ると焦点距離の欄に「35mmフィルム換算」という文言があるはずだ。これを見ると、そのレンズが広角なのか望遠なのかが分かる。

標準はだいたい50mmと憶えてほしい。だいたいである。それより値が小さければ近距離の撮影に向いているということであり、これを広角という。逆が望遠。その証拠に、ズームレンズであれば、望遠側にするとレンズの入っている筒の部分が長くなっていく。

なお広角の一種だが、接写に特化したマクロレンズというものもある。極端な広角レンズだと魚眼レンズというものもある。

ちなみに一つのレンズで焦点距離を変えられるレンズをズームレンズといい、変えられないレンズを単焦点レンズという。

ズームレンズは便利だが、一般に特化している分だけ単焦点レンズのほうが画質がいい(そうでなければ世の中ズームレンズだらけだ)。明るいレンズなら、ぼかしもより強調できることになる。

 

ホワイトバランスで色味を変える

 

以上で、カメラの初歩は卒業である。あとは場数踏むことだ。 

ただ、現場でもう一つ憶えておいてほしい機能がある。これは、コンデジやスマホで料理写真を撮るような人でも知っておいて損はない機能だ。

撮影した写真を後で見て驚くのは、自分の目でみた光景と色味が違うことだろう。

なんとなく青っぽかったり、赤みがかかっていたりする写真になることが多い。

寿司の写真を撮ったら、青みがかかって不味そうになったという経験をした人も多いと思う。夕焼けのはずなのに妙に空が青いなどという失敗も多い。

この色味だが、フォトレタッチソフトで修正するのは結構難しい。色味を修正するとコントラスト(光のくっきりさ加減)も一緒に変化することが多いからだ。

であれば、撮影中から色味を調整しておくに越したことはない。

そのための機能が、ホワイトバランス(WB)である。通常はAUTOでいいのだが、夕焼けをくっきりとりたいのであれば、「曇り」や「晴天」のモードで撮るほうが成功確率は高い。料理も同様で、「曇り」あたりで撮ると美味しそうに撮れることが多い。

夜の室内の撮影は、WBをAUTOにすると青味が強いときがある。そのようなときは「蛍光灯」を試してみるといいだろう。

WBを正確に取る方法もあるが、やや専門的になるので割愛する。プリセットされているモードを試してみるだけでも表現幅は広がるのだが、使っている人は意外と少ない。

 

入門用にはどういうカメラがいいか?

 

ここまで読んで、ちょっとカメラに興味を持った人がいたとしたら、どういうカメラを選べばいいか。これについて、私見を述べたい。あくまで僕の意見なので、異論はあるだろう。だからいろいろな人の意見を聞いて判断してほしい。

K0000283426.jpgデジカメには大きく2つのカテゴリがある。一眼(レフ)とコンデジだ。ただ、何にでも中間はあるもので、ネオ一眼と呼ばれるカテゴリがある。コンデジのお手軽さと一眼の機能(性能ではない)を兼ね備えたようなカメラである。形状は一眼に似ているがレンズの交換はできない。

僕は、このネオ一眼を中古で買って、まずはカメラに慣れることをお勧めしたい。

ある程度経済的余裕があり、またカメラを一生の趣味にするという決意がある人なら、いきなり一眼でもかまわないと思う。

ただ、一眼の本体は中古でも高いし、標準でついているレンズの性能はあまりよくない。なのでレンズも買うことになるが、レンズがまた高い。最初に買うだけならいいが、表現の幅を広げようと思うと、次々に買うことになる。

一眼は高いだけではなく、交換レンズも持ち歩くことが多いので、かさばるし重いということになる。お手軽な撮影は難しい。でも慣れるまでは、お手軽にたくさん撮ることが大事なので、コンデジやネオ一眼のほう便利ということもある。

 

AEモードを使いこなすのが近道

 

コンデジよりもネオ一眼を勧める理由は、機能的には一眼とほとんど変わらないことだ。なので、カメラに対する理解を深めるのにちょうどいい。

今のコンデジには、ほとんどの機種で、絞り優先AEモード、シャッター速度優先AEモードがついていない。マニュアル露出モードはさすがについているようだが、絞り値の幅が狭いのでカメラの勉強にはあまり役に立たない。

絞り優先AEモードとシャッター速度優先AEモードとは何か。AEモードとは、露出を固定させる機能である。まず得たい露出を決める。

絞り優先であると、ダイヤルを回すと絞り値を変えることができる。シャッター速度は自動的に決定されて、液晶ビューに表示される。シャッター速度が範囲外になると赤字で表示される。つまりその露出と絞りでは撮影できないということである。撮影される写真のイメージが液晶ビューに表示されるので、それを見ながら絞りや露出を調整する。

シャッター優先だと逆だ。

この二つのモードを使いこなせるようになれば、カメラへの理解も経験も深まることになる。コンデジではそうはいかない。

ネオ一眼は一眼に比べるとかなり安いし、そもそもレンズ交換ができないので、レンズ代がかさむということもない。かさばらないし重くもない。

中古ならさらに安い。写真のLumix DMC-FZ150は27,800円ぐらいで売られている。一時、さくらやで19,800円で売っていたこともあるようだ。

このようなカメラは他にもあることだろう。生産終了になっていても、メーカーのHPにいけば、PDFのマニュアルがあるので、使い方や仕様は分かる。マニュアルを参考に良さそうなカメラを選ぶのがコツである。

ここから先は語る資格を持たないので一般論として聞いてほしい。写真に大事なのは、カメラの性能よりも、構図の決め方や意図である。これは高い一眼をいきなり買わなくても身につけられる(はずだ)。それこそ、持ち運び便利なコンデジやネオ一眼のほうが向いているように思う。

いきなり高い一眼を買って、やっぱり写真は向いてないなんてことになるのは避けたいではないか。

 

営業マンやマーケ担当には必須

 

デジカメの一番のよさはフィルム代を気にせず、写真を撮りまくれることだ。

8GBのSDHCカードはいまや千円札一枚で買える。これで1200万画素ぐらいの写真なら、1000枚以上入る。

営業マンがお客様を説得するときには、使用事例などを活用することになるが、文章が並んでいる資料よりも、写真一発のほうが説得力があるものだ。

利用者の笑顔が一番だが、それは撮らせてもらえないケースも多いだろう。それでも、商品が実際に棚に陳列されているところや、実際に利用されているところの写真でも十分な説得力を持つ。それがきれいな写真なら、ますます迫力がある。

Webやパンフレットに写真を載せることが必須の世の中だ。マーケ担当にも無関係ではない。

自主開催セミナーや展示会ブースの写真などを取る機会もあるだろう。費用対効果を考えると自分で撮りたいところだ。しかし、写真の知識がないといい写真を撮るのは意外に難しい。

広告写真ならプロに頼むことも多いだろう。意図する写真を撮ってもらうには、話が通じる必要がある。カメラの知識があれば、コミュニケーションが容易になるはずだ。

自営業の人は、自分で営業やマーケもやらないといけない。

ビジネスシーンにおいてデジカメは、もはや必須のツールと言えるだろう。

 

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