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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

11月11日 認める~あぶれ社員になる理由(#537)

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楠正成の家臣に、泣き男というあだ名のおよそ武士らしくない者がいた。他の家臣から疎まれていたが、さすがは正成。泣き男を使って自分が死んだように見せかけ、油断した相手に奇襲をかけて大勝利。どんな人でもそれぞれ持ち味を認めて、適所で活用することが大切――松下幸之助さんは、このように言います。

昔、SONYにNEWSというワークステーションがありました。今はもう博物館にあるぐらいだと思いますが、価格性能比とデザインが卓越していたので、一世を風靡したマシンです。

その開発リーダーだった方が出した本がありました。書名も著者名も忘れてしまいましたが、社内のあぶれ者、疎まれ者をどんどんスカウトして開発したということだけは強烈に憶えています。

適材適所というよりは、社内のあぶれ者をどう使うかということなのではないかと思います。

本来いろいろな関門をクリアして大企業に入る社員に、不優秀ということはありえないはずです。

また、中小企業においても、人一人雇うのはたいへんなことで、やっぱり最初から無理だろうという人を雇う社長はいないはず。

それなのに、大企業でも中小企業でもあぶれ者と言われるような社員がたくさんいます。

これはなぜか?

私自身あぶれ社員になったことが何度かあるので、よく分かります。

本人が本当に得意なことと、なりたい姿がずれているからです。

そして、ほとんどの場合、なりたい姿というのは会社が与えています。

私の場合どうだったかというと、自分が得意で楽しい仕事は、一人あるいは数人で完結するが、技術的には非常に高度な仕事でした。

私自身に技術力が不足している場合でも、もっと技術力の高い部下や外注を使うことには長けていたので、自分で言うのも何ですが、かなり優れた仕事をしていたと思います。

ところが、会社が求めるのは、大規模なプロジェクトをマネジメントし、大勢の部下を抱えて、それに足りる売上をあげることでした。

そうでないと出世もできないので、私は、会社の求める社員像に一生懸命応えようとしました。

本人が一番得意で燃えることと、会社の求める社員像がずれていれば、ストレスになるに決まっています。だんだんパフォーマンスも落ちていき、気づいたら坂を転げ落ちるようにあぶれ社員になっていました。

人に期待するのはいいと思うのですが、それ以上に本人の適職を見抜くことが経営者には求められているのだと思います。

そのためには、会社が人に求める価値観から見直していく必要があるでしょう。

いや、うちは多様な価値観を認めているぞ、と反論する人材開発関連部門の部長や社長もいるかもしれません。

それはたぶんそうでしょう。しかし、出世している人や認められている人たちの人間観に偏りはありませんか?――ということなのです。社員は、それを敏感に見ているのですよ。

今日の一言)ワンパターンな人間像を求める会社では、実力を発揮できない人がたくさん出てくる。

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見込み客には会えるのに、なかなか提案や見積に進めない営業マンっていますよね?

ほとんどの場合、初回訪問で持っていく商談ツールに問題があるようです。

まさかとは思いますが、会社から与えられた商品パンフレットなんかで説明してはいないですよね?

11月30日分 満員御礼
12月21日分 満員御礼
2012年1月23日分 募集開始 あと8席 (11月11日 10時現在)

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本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。

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