日本の中小企業がDXに消極的な理由は?
日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みについて、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、2025年の状況を発表しています。PDFですので、ダウンロードして読めます。
日本企業の DX の取組はこの数年着実に進んでおり、米国やドイツと肩を並べるか、そ れ以上にまで達していると言えよう。しかし、取組は依然として大企業が中心であり、中小企業における取組については、米国、ドイツに比べて遅れている状況にある。また、DX の成果においても米国、ドイツに比べて出ておらず、とくにデジタルトランスフォーメー ションに分類される取組項目の多くで成果創出に至っていない状況にある。 取組全体を俯瞰すると、日本の DX が社内の業務効率化を目指す「内向き」で、個別の 業務プロセスの改善にとどまる「部分最適」の性質を強く持つ一方、米国とドイツの DX は、新たな価値創造を目指す「外向き」で、業務プロセスを企業・組織全体で最適化しよ うとする「全体最適」の性質を持つという、明確な違いが浮かび上る。
国ごとの違いもあるので、何でもかんでも他国と比べることが良しとは思いません。ただ、一つの指標にはなるでしょうね。
この中には、日本では「コスト削減」がゴールになっていることが多い一方で、DX先進国と言われるアメリカやドイツでは、「売上・利益の向上」に向けて動いている、とされています。
日本でも、どちらがゴールかはさておき、大企業はいろいろと取り組んでいるところが多いですが、中小企業ではまだまだ、というところが多い印象を受けます。
その理由の一つに、「以前、システム開発を依頼したけど、うまくいかなかった」という声を聞きます。固有名詞は控えますが、どんな会社に対しても、同じサービスを売りつけたり、極端な話、30万円のソフトウェアを、500万かけてカスタマイズするようなシステム開発会社とか。90年代後半から2000年代前半にそういう経験をした中小企業は、今でもシステム屋を信頼していない、という話も聞きます。
これでは、DXという言葉を聞いても、ピンとこない経営者がいるのは理解できます。ピンとこないというより、関わりたくない、くらいになってしまっている方もいるようですし。
経済産業省が、申請してきた企業に「DX認定」ということをやっていますが、これがゴールでもない。大事なことは、大きなコストをかけられない中小企業が、どうすると良いのか。すべての中小企業のDXのゴールが同じではないですし、同じスピード感でもない。各社それぞれの取り組み方があるはずです。
ただ、大事なことは、新しいことに目を背けず、しっかり吟味していく。大きなコストがかかるわけでないのであれば、まずは試してみる。そんなことが大事だと思うのです。
来週は、沖縄の宮古島で、そんなお話をする予定です。対面でしかできないお話をいたします。
日時:2025年11月7日(金)09:30受付開始(予定)
会場:宮古島市未来創造センター/ 研修室1・2
参加費無料ですが、事前登録をお願いします。
2部制となっています。
午前は、DX(デジタルトランスフォーメーション)や、その事例などについてお話します。例えば、iPadが1台あるだけでも、できることはいろいろあります。
総務省のホームページを見ると、DXについて長々と書かれていますが、そもそも会社によって、事業内容も、規模も、そしてそこで仕事をする社員のみなさんも違うわけです。それを一括りに論じることには無理がありますよね。
そうではなく、少しラクになる、少しやりやすくなるだけで変わるわけです。ペーパーレスで紙を無くそう、までは難しくても、紙が減るだけでも手間も減ります。
僕が考える「DX」は、まずは社員がラクになる、です。そこからのスタートのために、多額の開発費などをかける必要もなく、たとえばiPadの基本機能だけでも間に合うかもしれない。
僕からは、そんなお話をする予定です。
そして、午後のClaris FileMakerでの業務アプリ開発体験をご希望の方は、WindowsでもMacでも、パソコンをご持参ください。