2023年は、コロナ禍3年間の対策のしわ寄せの一年でした。じゃあ、2024年はどうする?
2020年4月8日は、コロナ対策で「緊急事態宣言」という、あやふやな宣言が発令された日でした。そこから2ヶ月は、東京の街は閑散としていて、在宅勤務ができる企業、人は在宅が急増し、少なくとも東京の街は大きく変わりました。
一方で、僕自身は同年3月5日から4日間、台北に旅行していました。その台湾は、2020年1月15日には中国本土からの旅行者をストップ。1月31日にはマスクを配給制にしていたと聞きました。3月は、街のどこに行っても体温計あるいはサーモセンサーで体温を測っていました。台湾の人たちは、街の公衆トイレに入ると、みなさん丁寧に手を洗っていました。(羽田空港に帰り着くと、日本人男性のほとんどは手を洗わないのが衝撃でした)
さて、そこから何ヶ月経っても、緊急事態宣言だの、まん延防止なんちゃらだので、東京の、特に飲食店は大打撃を受け、多くの飲食店経営企業は無利子の融資を受けるに至りました。
そして2023年は、その返済時期になったわけですが、じゃあ、スムーズに返済できるほど景気が戻っているでしょうか。
「2023年は飲食店の「倒産件数」が過去最多ペース。コロナ5類移行後も倒産増える理由」(飲食店ドットコムジャーナル)
ひとつは、新型コロナ関連の支援策が打ち切られたことが挙げられる。中小企業・個人事業主に最大200万円が給付された持続化給付金や、地代・家賃(賃料)の負担を軽減するために最大600万円が給付された家賃支援金、事業縮小に伴う従業員への休業手当の一部を助成する雇用調整助成金の特例措置など、さまざまな支援策が打ち切られた。
また、新型コロナの影響によって売上が下がった企業への融資である、ゼロゼロ融資(無利子・無担保の融資)の返済開始が2023年7月からピークを迎えていることも原因として考えられる。ゼロゼロ融資は2020年3月に始まり、無利子期間は最長で3年間となっているため、その返済に苦労している飲食店もあるはずだ。
支援策の打ち切りは当然だと思いますが、無利子であろうと返済時期が来るわけです。これがキツイんだとか。まあ、そうですよね。借りたお金は、コロナ禍を乗り切るために使ったのであって、なにかに投資したわけでもありませんから。
さらに、あらゆるコストが高くなっていることも倒産件数増加に拍車をかけている。特に、ウクライナ危機によるエネルギー価格の上昇は、物流や食材への価格転嫁が行われるなど、大きな影響を与えた。円安によって、小麦製品や飼料など輸入に頼っているものの価格も高騰している。
加えて、人件費の上昇も収益を圧迫しているといえるだろう。飲食店としては、コスト高に対して値上げなどで対応するしかなく、厳しい状況が続いている。
とまあ、値上げできているお店はまだいいほうで、値上げできない、値上げするとお客さんが来なくなるんじゃないか、という不安を抱えているお店も少なくありません。
ここが問題で、飲食店ばかりでなく我々の業界でも、ちゃんとコスト上昇を価格に反映できているだろうか、というところですね。
「値上げするんなら、他に頼みますよ」
支払う立場になれば、そんな言葉がでてくるのも致し方ない。しかし、諦めて何年も同じ価格で対応するのか、という問題ですね。ここは、明確に、かつ理解を得られるロジックの構築が大切だと思っています。
2024年は、改めて勝負の年になるんじゃないでしょうか。かくいう当社も他人事ではない、と感じている今日この頃です。