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スマートデバイス導入プロ集団のイシン社長です。仕事に関係ない話題も多いです。

「AIが人間の仕事を奪う」は本当なのか?我々がやるべき仕事はなんなのか?

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ここのところ、OpenAIのChatGPTとか、GoogleのBardなど、生成AIの進化が凄まじい一方で、規制についての議論も活発になってきているようです。

「AIが人間の仕事を奪う」ということは、「ロボットが人間の仕事を奪う」ということを言われていた時代に似ていますが、少し様子が違う。ロボットの場合は、肉体労働を中心に、「人間より早く正確にできる」「人間より重いものを運べる」といったところが多かったように思いますが、AIの場合は、知的労働者の仕事を奪ってしまう、というところであるようです。

ハリウッド俳優のストライキは、AIの利用を巡る"闘い"において転機となる」(WIRED)

全米脚本家組合(WGA)も同じようにストライキ中だが、これらの組合が大きな問題だと考えていることのひとつがスタジオによるAIの利用だ。

ハリウッドの俳優のストライキは、以前に日本の作家たちが電子書籍に反対したそれとは事情が違います。自分たちの肖像権を含め、あらゆるリスクに対する懸念と問題を指摘している意味のある活動ですが、はたしてどうなっていくのか。一朝一夕で決着するものではなさそうです。

我々IT業界では、AIは歓迎の方向の方が多そうですが、それは使い方、あり方、ルール、規則などが整備されていない現状の中、ちょっと考えるべきことが多そうな気がしています。

737 MAX二度目の事故 行き過ぎた「自動化」に 問題はないか?」(MIT Technology Review)

(2019年)3月10日にエチオピアで離陸直後に起こったボーイング737 MAXの墜落事故により、現在、世界中で同機種の運航が取り止められている。事故の原因はまだ判明していないが、複雑な自動化システムとパイロットへの伝達に問題があったのではないかとの疑念が出ている。

ボーイング社の737MAXは、前年を含めて2機が墜落しており、同じ原因かどうかは解明されていません。

この記事を執筆中の時点では、2機の737 MAXが同じ原因で墜落したと断言することはできない。インドネシアの航空事故調査局が公開した中間報告書によると、ライオン・エア610便は、欠陥のあるセンサーが、同機が失速したと誤って報告したために墜落したという。失速しているという誤報が、安全な飛行に十分な速度に加速すべく機首を下げようとした自動化システムを始動させたのだ。パイロットは自動化システムに抗って機首を上げようと努めたが叶わなかった

ここから読み取れるのは、センサーの異常で発生したトラブルを、人間の力では回復できなかった、ということであるようです。つまり、生成AIが間違った行動をしたとき、人間が是正できるようにしておく必要がある、ということになると思うのです。

現在日本でも、生成AIによるアダルト画像の作成が活発です。中には、存在するアイドルの顔に似せたとか、好きな歌手の顔を持ってきた、なんて話もあるようで、解決すべき課題は山積みである気がする今日この頃です。そんな中で、「仕事を奪われる」という判断は時期尚早であるような。

我々がやるべき仕事は、そこから見出すことができるのかもしれません。

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