「当社の人事給与制度は適当です」
僕が自社の人事給与制度について聞かれたとしたら、こう答えると思います。
「当社の人事給与制度は適当です」
ここで言う「適当」を勘違いしないでいただきたい。世間的には、適当=いい加減、と捉えられがちですが、そうではありません。
適当という言葉を辞書でひくと、「ほどよいことや、条件や目的にうまく当てはまること、いい加減であるさま」と書かれています。つまり、それぞれの人にあった評価をする、という意味です。
その昔は、給与明細に「家族手当」とか「住宅手当」といったものがありましたが、その時代はそれで良かったのかもしれません。
「彼は結婚して大変だろうから、家族手当をつけてあげよう」
「彼女はひとり暮らしだから、住宅手当を支給しよう」
そんな考えからだったのかもしれませんが、少なくとも現代において、僕はそれは不要と捉えています。(企業によっては、会社の近くに住んで通勤交通費を削減していると、住宅手当として支給しているところがありますが、それは昭和の時代のものとは性質が違います)
たとえば当社の場合では、「お客様のご依頼どおりに仕事をする」は、Bの評価をします。
一方で、「お客様のご依頼を聞いた上で、お客様の最適を考えて提案する」をAの評価としています。
お客様の言いなりでは、そのお客様の本当の目的を達成できるかわからないからです。お客様は、何かの作業、あるいは開発を依頼するのは、ある目的を達成するため、です。しかし、お客様によって、その伝え方はまちまち。そこからより良い回答を導き出すのが我々の仕事だと考えているからです。
そう考えると、人事給与制度を一律というのは困難だと感じています。ベルトコンベアーの前で同一作業をする人たちなのであれば、一律に評価できるのかもしれませんが、当社の場合はそうではない。もちろん一定の基準はありますが、そこから先は「適当」なんです。
ましてや、家族がいるとか、ひとり暮らしとか関係ない。自社の中でどういう役割を担って、どういうアウトプットを出来るか、しか評価ポイントがない。
ふとそんなことを文書化してみた今日この頃です。