高齢者が運転するならマニュアル限定?
高齢者が事故を起こすケースが取り上げられるようになって久しいですが、事故を起こすケースの多くが、アクセルとブレーキの踏み間違いだそうです。つまり、AT(オートマ)なので、踏み間違えても瞬時に気づかない、ということですね。
一方で、MT(マニュアル)であれば、踏み間違えると即座に停止します。
「75歳以上の高齢者、免許更新時にマニュアル車での実車試験案」(Business Journal)
筆者は、人を殺傷するリスクと車を使う利便性を天秤にかけ、ドライバー自身が運転能力を自覚し、判断することが重要だと考える。そこで、突飛なアイディアだが、実車講習をマニュアル(MT)車で行うのはどうであろうか。フランスなど欧州ではMT車が多く、高齢のドライバーも運転している。MT車はオートマチック(AT)車に比べて運転操作が複雑で神経を使い、より統合的な動作・認識・判断が求められる。マニュアル車で運転すれば、自分の運転能力の低下を実感するドライバーは多いと思う。
MT車の場合は、アクセル、ブレーキ以外に、クラッチがあり、クラッチとアクセルを合わせないと、瞬時に停止します。しかし、現在の高齢者で考えると、運転免許を取得した時代には、MT車が当たり前だったわけです。それがAT車になってその感覚が薄れてしまった、というケースが多いと想像されます。
「日本も見習うべき「限定免許制度」とは? クルマ大国ドイツの「高齢ドライバー」事情」(週プレNews)
――警察庁のまとめでは、昨年75歳以上が起こした死亡事故は401件。事故の要因で目立つのはブレーキとアクセルの踏み間違いです。それを踏まえて「日本はAT車ばかりだから踏み間違えが起きる」という意見があります。
竹花 ドイツは日本と比べればAT車は少なく、今も半分弱がMT車です。一方で日本はMT車の販売比率は2%程度。ドイツでは、特にコンパクトカーはMTが主流です。
――ドイツでもAT比率が徐々に高くなっているとすれば、今後は踏み間違いによる事故が増えるのでは?
竹花 ありえるとは思いますが、ドイツはやはり日本とはあらゆる面で交通事情が違うなと。
――具体的には?
竹花 まず「限定免許制度」ですね。高齢者は医師の診断結果に応じて、運転していい時間、範囲、最高速度などの制限を運転免許につけられるんです。
限定免許では、例えば自宅近くの走り慣れた道だけをクルマでゆっくり走ることだけが許可されるわけですが、高齢者は自分の力で病院に行けるし、最低限の行動の自由も担保できます。
こういったドイツの例も参考になりそうです。僕自身は、75歳で免許を返納しようと考えていますが、どうしても必要だというのであれば、法律でなくても、自らMT車に乗り換えることで、事故の可能性が減るのではないか、と思う今日この頃です。