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スマートデバイス導入プロ集団のイシン社長です。仕事に関係ない話題も多いです。

地方移住が進まない本当の理由

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2020年からコロナ禍になり、テレワークが一気に進み、今まで長距離通勤をしていた人たちが、一気に在宅勤務をする人たちに変わりました。そんな中で、2020年5月から2021年2月まで、東京都への人口流入よりも、東京都からの人口流出のほうが上回った、ということが起きました。単月で流出が流入を上回ったのは9年ぶりなんだとか。

新型コロナウイルス感染症の流行と東京都の国内移動者数の状況(総務省統計局)

しかし、その後の2021年3月、4月を加えると、結果的に転入が転出を上回る結果となりました。今までと同じ、ということのようです。

政府の「テレワーク移住で地方創生」がコロナ禍でも進まない根本原因(PRESIDENT Online)

この記事によると、地方移住を阻害する要因がいくつかあるようです。

たしかに、テレワークを利用すれば、いつでも、どこでも仕事ができる。だからといって、24時間365日をテレワークでよしとする職場は少ない。週に1度、あるいは月に2、3度は出社を求める。多くの企業が、対面の価値を重視するからだ。対面の価値とは、「良好な人間関係の構築」、「組織の一体感の醸成」、「ディスカッションを通じたアイデアの涵養」などである。

店舗や病院のように、出勤を必須とする職業だけでなく、対面を求めたがる人たちは少なくないようです。実際、先日聞いた某社では、出社すると半日くらい雑談をしているのだとか。それだけ、人とのふれあいを求めているんでしょうね。オンラインではできない会話を欲しているという。

もともと人は、景気の好転時に地方圏から大都市圏への移動が活発化し、景気の悪化時に移動が鎮静化する傾向がある。今回の人流の変化も、コロナショックによる景気の大幅な後退の反映である。むしろ、これほどの景気後退にもかかわらず、東京圏1都3県が流入超を続けたことの方が特筆に値するだろう。

これは、デジタル化、あるいはDXが進まない、という話ばかりではなさそうです。文化、あるいは業務の進め方など、原因はいくつも存在するような。

さらに、いざ地方移住を考え始めたときに、例えば徒歩圏内にコンビニがない、ということを許容できるか。病院に行くには車が必須、でも大丈夫か。飲みに行ったら、帰りは代行を呼ばないといけない。ということを受け入れられるか、ということまで考えると、躊躇してしまう人が少なくないように感じています。

長距離通勤をしていた人たちは、通勤をやめるだけだったかもしれませんが、だからといって東京から地方に移住するか、というと、実はそうならないのが日本の現状のようです。

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