起業するときに考えないといけないこと
僕自身、40代で起業するという、今どきからかなりズレた感覚で会社を作ったわけですが、まあでも起業してみたいと思えたのは、ソフトバンクというベンチャー企業にいたおかげだと思っています。
ただ、起業後に感じたのは「起業前に知っておいたほうが良かった、と思えることはたくさんあったなあ」ということ。誰からも教えてもらわなかったけど、教えてほしかったことが書かれている記事がありました。
これから独立する君へ知っておいてほしい15のこと(SEM-LABO)
すべてに同意とは思わないところもあるのですが、特に僕が同意できるところをピックアップしました。
半年生きる程度の預金はあるか?
これは本当にそうなんですよね。1ヶ月、2ヶ月程度のお金しか無いまま起業すると、目先のお金に引っ張られると思います。そうして、自分がやりたくないことをやって、ブツブツ言っている人を見かけることがありますが、だったら起業なんかしないほうがいい。
はじめから会社を作れ、税理士を雇え
まず、作るなら「株式会社」です。合同会社が設立しやすくて、最近はこっちで行く人も増えています。それで仕事が取れるならOKですが、大企業は無名の合同会社に発注を躊躇するところも多いです。B2Cならなんでもいいでしょうけど、B2Bであれば株式会社のほうが、発注者の安心を得られるのではないか、と思っています。
僕自身、起業時に合同会社を設立したのですが、当時はみずほ銀行の窓口でさえ、「これ(合同会社)はなんですか?」と聞かれました。いや、相手が無知なだけですが、そういう質問さえ無くせるという意味でも、株式会社をオススメしたいですね。
また、最近はクラウド型の会計システムもありますが、それを使ったとしても税理士はオススメしたいところ。経営者になると、自分のやっていることを諌めてくれる人がなくなります。数少ない「諌めてくれる人」が、税理士だと思うんですよね。少なくとも、お金のことはお金のプロに相談したいところ。
キャッシュフローの重要性を知れ
特に大手広告代理店に多いのですが、買い叩かない代わりに「手形」で支払おうとする企業があります。起業家でも意外と、小切手と手形の違いを知らない方がいるのですが、詳細はマネーフォワードさんのサイトをご覧ください。僕は、手形を使う企業の仕事はしないことにしています。どんなにいい条件でもお断りしています。通常、下請法(下請代金支払遅延等防止法)では、資本金1,000万以下の発注先には、60日以内に支払いなさい、ということになっています。
しかし、手形を使う企業は、60日以内に手形を振り出しておいて、支払いはそこから90日とか延ばすんですね。で、それが待てない中小企業は、割り引いてもらって現金化することになります。そうなると、実質値引きをさせられているようなもの。支払う側は、現金は60日+90日=150日後に出金すればいい、ということになります。僕は、こういう取引はフェアではないと思っているので、最初からお断りしているんです。
「今度相談させてください」、「今度案件紹介しますよ」は信用するな
いますねえ、こういう人っていますねえ。(笑)大阪の商人の中では、「今度とお化けは出たことがない」という冗談を言います。「今度」頼んでくる人はいない。そう思っておくほうが、精神衛生上もいいと思います。
いつでもノーディール(No Deal)という選択肢をもて
ノーディールというのは、取引しないという意味ではなく、いつでも「取引しない」「お断りする」という選択肢を持っておこう、ということです。これは、最初の「半年生きるだけのお金」に通ずるところですが、それがないと「お断りする」という選択肢がなく、条件の悪い話、やりたくない仕事、を引き受けざるを得なくなってしまうからです。
クリエイターだけは買い叩くな
クリエイターだけではなく、サービス業とか、人が動いてなんぼ、という人たちを買い叩いてはいけない、と思っています。それは、彼らの給与を値切っているようなものだから。もちろん、内容が伴わない場合は別ですが、絞るべきところと、そうではないところのメリハリは必要だと思います。
ポートフォリオを分散させろ
規模が小さい間は、どうしても大きな仕事をくれるお客さんに執着しがちです。また、そのほうがラク。でも、それこそ、震災でもあって、そのお客さんの状況が変わると、一気に干上がってしまいます。負荷分散は必須ですね。
家族との時間は大切にしろ
この話は、古い本ですが神田昌典さんの「成功者の告白」を読んでいただくのが一番です。週末は、ゴルフに行くのではなく、家族と過ごす時間を持つべきだと思いますね。