その一時間は何をしていましたか?この差を見過ごすと仕事がなくなる
先日、新幹線の中で読んだ「WEDGE」という雑誌の中で、ネットイヤーグループの石黒不二代社長が「日本の労働生産性が、先進国の中でもっとも低い」というお話をされていました。これは前々から気にはなってたので、早速日本生産性本部のWebで確認。
どの情報も、僕たち日本人にとって惨憺たるものですが、その中で「時間当たり労働生産性」というグラフがこれです。僕たち日本より下を見てもしょうがなくて、僕たちが親しみがあると思っているアメリカ(米国)は、僕たち日本人の1.5倍の生産性。
一時間当たりでこれですから、週は、月は、年間ではものすごい差になってしまっています。
こんな記事がありました。
「ビル・ゲイツ氏IE問題よりも「人がロボットに職を奪われる」と警告」
こと演算能力に関して言えば、機械は人間より遥かに優秀である。複雑な計算を決して間違えることもなければ、残業を強いても不満を言う事もない。 しかもメンテナンス以外人件費がかからないため、大幅な経費削減になる。ロボットはまさに理想的な労働力であり、企業が人間の代わりに業務をロボットに任せるようになっても何ら不思議はない。ロボットが人間に取って代わる世界は、もはやフィクションの中にとどまらないのである。
なるほど。単純作業なら、僕たちがロボットに敵うはずがありません。つまり、僕たちはもっと「人間の存在価値」のある仕事に向かわなくてはならないのだと思います。企業としても、クラウドソーシングなどに「安い人件費」を求めるのではなく、割りきってロボット、とはいかないまでも、システム化されたものに切り替えていくことが考えられます。
会計のクラウドサービスであるfreeeは、税理士に支払うコストを大幅に削減するサービスです。彼らのライバルは、既存の会計ソフトではなく、税理士という人件費なのですね。一気にゼロに出来るかはさておき、毎月の取り扱い件数がさほど多くない個人事業主や小規模事業者にとって、魅力的なコスト削減になります。
税理士というお仕事が単純作業だとは思いませんし、税理士ならではの相談事への対応もありますが、少なくとも月次の処理で大きく人件費を削減できるのかも知れません。
「雇用を生み出すのが起業した人間の役目だ」僕は普段からそう言っていますし、今でもその考えに変わりはありません。しかし、だからシステム化できること、ロボット化できること、あるいはクラウドサービスで賄えることを、わざわざ「人間の仕事」として切り出すことではないと思っています。
日本では、ビジネスパーソン同士の会話に「また遊びに行きますよ」というのがあります。本気で遊びに行く人はいないと思いますが、こういう言葉は英語にも中国語にもないと思います。おそらく他の外国語にも。時間を有効に使うということは、無駄な時間を極限まで減らすことかも知れません。それにより、グラフ上位の国の人たちは、長いバケーションを堪能できているのではないか、と思った次第です。僕たちも、せめて連続一ヶ月休めるようになりたいものです。