企業の変革は必然で当然で、海外赴任はそのツールの一つだ
先週のカンブリア宮殿を観ました。先週取り上げられていたのは「グンゼ」さんです。グンゼと言えば肌着、くらいしか知識がなかったのですが、野菜を入れる袋の他、僕が深く関わっているタブレットの液晶にも携わっておられることを知ってビックリ。すでに120年の歴史を持つ企業だということですが、それくらい変わり続けているのですね。
僕は、自分の会社もそうですし、前職もそうですが、変わり続けるのは必然であり、当然のことだと思っています。とある100年以上の歴史のある旅館のオーナーも同じことをおっしゃっていました。「自分たちはずっと変わり続けているのです」と。
そんな中、こんな記事を拝読しました。
「増加中「海外赴任嫌いの若者」に、意識改革を促す必要がない理由」
別に、海外に行きたくない人材に、無理やり海外に行って貰う必要もないし、企業もいずれそこまでコストを掛けられなくなっていくだろう。 いずれ、海外人材は、現地調達になっていくと予想される。 シンガポールや上海あたりには、3か国語を話し、トップ大学を卒業して、米国系企業で修行した人材がかなりいるので、そういう人を雇ったほうが手っ取り早い。 中国やシンガポールでのオペレーションにおいて、何もわからない日本人を派遣するのは時代遅れになるだろう。
海外赴任嫌いは今に始まったことではないのですが、大抵こういうことを取り上げると「アジア(人)に負ける」「中国人に負ける」といった口調の報道になっています。これでは、企業の本質を観られていないのでは、と危惧しています。企業の本質はそこではないのかな、と。
当社は、2009年以降、いち早く「スマートデバイスの法人導入支援」を専業としてきました。当時は「なに、それ?」くらいに思われていたスマートデバイス法人導入支援ですが、今では弊社と同じことをしている企業も多くありますし、大手で部門を持っている企業もあります。こういったとき、僕は「なんだ、あいつら真似しやがって」と思うべきなのでしょうか。
もちろん、中には丸々資料をパクったような企業もありますが(笑)、それはそれ、「市場が広がった」とか「市場がついてきた」と考えることが出来るのだと思うのです。このフェーズに立ったとき、勝ち負けではなく、「顧客と自社により良いバリューを提供出来ているか」と考えるべきだと思っています。
僕たちの周りで考えると、通信事業者で見れば分かりやすいと思っています。LTEはいち早くNTTドコモさんが始めた。その後、ソフトバンクモバイルさんも、KDDIさんも参入したわけですが、それはニーズがそこに来た、あるいは高まってきたということであり、市場が広がってきたわけです。僕個人も、今となっては「3Gは遅い」と感じてしまうほどLTEの恩恵を受けています。
少し脱線しましたが、海外に出たくないという若者に「中国人に負けるぞ」と脅してみたところで、行きたくないという彼の気持ちは変わらないと思います。大事なことは、「それで君の所得以上のバリューを発揮できるのか」ということだと思うのです。ここで初めて比較論も成立する気がします。
「中国の新卒のほうがバリューがあるよ。なぜなら、彼らはこんなことが出来て、さらに赴任の制約もない。世界中どこにでも行ってくれる」
まあ、これを勝ち負けと呼ぶのかも知れませんが、顧客と自社にバリューを発揮出来るかどうか、という視点を持つことが大切な気がしています。かくいう自分自身も、より高いバリューをお客様に発揮していかなくてはならない、と再認識している次第です。