【新しい働き方15】今までを否定するということ
今朝の浅田真央選手のフリープログラムには感動しました。前日あれだけ思い通りに動けなかったというのに、そのイヤな思い、重圧を乗り越えて挑んだ演技。演技を終えて涙をこらえた笑顔。素敵すぎます。スポーツ選手は、いつまでも過去を引きずっては前に進めません。その過去が成功でも失敗でも。
僕が社会人になったのは昭和の時代。オフィスにパソコンは一人一台は存在せず、ひとつのグループ(島と呼んでいました)に一台。課長は島を統括する席に座り、いわゆる「上座」で、ほとんどの男性社員がデスクでタバコを吸っていました。
僕がいた会社では、社内にサーバを設置しており、サーバールームは17度に設定し、そこの担当社員はなぜかゲームに勤しんでいました。社員が台帳に書き込んだものをキーパンチャーが打ち込む。今考えてみると、かなり無駄があったようにも感じますが、その時代はそれしか方法がなかった。
いま、おそらく日本には、コンピューターに入力することだけの「キーパンチャー」というお仕事はないのではないでしょうか。社内にサーバールームを持つ企業も少なくなったでしょうし、サーバールームにずっといないといけない、なんて必要もなくなりました。
僕が学生たちに、これからの仕事を考えるときに話すのは、イシン株式会社という存在のお話をしています。当社の仕事は「スマートデバイスの法人導入支援」です。スマートデバイスという言葉を、20年前に知っていた人はいたでしょうか。もしあったといても、きっと今とは違う対象に使われていた気がします。今の小学生が社会に出るころには、現在ある「仕事」の何十%がなくなっているのでしょうか。もっと言うと、僕たちが今やっている仕事は、いったいいつまで存在し続けるのでしょうか。
過去をすべて否定する必要はないと思っています。しかし、過去の栄光に浸っている余裕もないように感じます。過去は過去、今日は今日で、明日は明日。かすかに見える「明日」のために、「今日」の自分は何をすべきか。iPhoneやiPadは、それを支えるツールなのだと感じている今日この頃です。