素晴らしい資格をとっても、その仕事さえ要らなくなる時が来る?
僕が20代の頃、旅行会社に勤めていて、その会社の情報システムと営業企画を兼務していました。(あ、総務も兼務していた。。。)その頃は、旅行の申し込みを電話で受け付けて、受付担当は「予約カード」という名前のA5サイズの紙にお客様の情報、申込内容を書き込み、半日ごとに電算室(!)に持ち込みます。電算室では、「キーパンチャー」という仕事の人たちがせっせと入力をしていたことを覚えています。
その後、社内のシステムを入れ替えて、各部署に端末が設置され、電話で受け付けた予約をその場で入力できるようになりました。そのおかげで、過剰予約(オーバーブッキング)が防止できるようになり、そしてキーパンチャーという仕事はなくなりました。
昨年末、八子クラウド座談会という勉強会に参加させていただいた際に、freeeの佐々木大輔社長からfreeeについてお話を聴かせていただきました。この勉強会に参加する前から知ってはいたのですが、正直言って「衝撃的」しか言葉が出てきませんでした。
僕は前職で経理部長をやっていたこともあるのですが、不慣れな人にとっては障壁の高いお仕事です(でした)。貸し方、借り方という言葉の意味もひと言では説明しきれませんし、貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)をExcelに落とすと分かるのですが、そこの合計はどこからどこまでを足した数字なのか分かりづらい。また、同じ「支出」でも、それはどの項目に入れるのか、複数の項目に入れてもいいけれど、こちらに入れるほうがより正しいとか、税務対策上はこうすべき、といったものがたくさんあって、結構難しいのですね。だから、「税理士」が存在するわけです。税理士というお仕事のバリューです。
ところが、freeeではその概念を吹き飛ばした、と言える。僕はそう思っています。誰もが、一般的な言葉で入力でき、僕が経理部長の頃は月に一回銀行周りをして記帳シて回っていたものも、freeeに自動的に取り込んでくれる。月末のATM前の行列とは無関係になれるのです。もちろんそれだけでなく、経理作業全般的に一気に軽減されます。企業規模とやり方次第で、税理士という存在が必要なくなる、かもしれない。
こういったことは、個別の話ではない気がします。何が良くて何が悪いということでもない。資格、会社、規模、いろいろなものにぶら下がっているようでは、その変化にすら気付かないのかも知れません。「先のことなんて分かるはずもない。」それは事実でしょう。しかし、それにいち早く気付く人、気付いても動かない人、気付きさえしない人、自分がどこにいるべきか、を考えて動きたい。そんなことを考えた金曜日です。