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スマートデバイス導入プロ集団のイシン社長です。仕事に関係ない話題も多いです。

伝統工法・伝統芸という名の進化

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先週は、朝カフェ次世代研究会。今朝は、きらくなたてものや日高さんのおをおきする会にまれました。
 
普段我々のようなIT界にいると、家を建てている人たちとおをする会ってなかなかないですよね。京では、倒的にマンションなどの集合住宅に住んでいる人が多く、また一建てでも建住宅が多い中で、伝統工法に基づいた住宅にふれる会はめて少ないですし、さらにそういう方々のおを伺う会は稀なので、とてもいい会になりました。

水という言がありますが、一般的には占いの一くらいに捉えられていることが多いのだと思います。自身は、水はそういう部分もあるものの、自然のきを取り入れたところもあるので、理的に理解できる部分は味をもって考えています。例えば、の流れといったものは、(本来の)水的に重要なものですね。家の中がL字型やクランクになっていると、そこに風が溜まって埃が集まったり、カビが生えやすくなるようです。
 
こういうものは、新しい工法にすればいい、という話でもなく、その時々、季節、気候、地域によって変えなくてはならないところがあります。もともとの住宅地なのか、あるいは埋立地なのか、で変わるわけですしね。
 
話変わって、週末は浪曲師の玉川奈々福さんの浪曲を聴かせていただきました。昨年お聴きしたときと題目を変えていただいたのですが、前回は初浪曲ということで、落語好きとしてはお話の中身に聞き入りました。ああ、いいお話だなあ、と。
しかし、今回は声に聴き惚れてしまいました。いい声してるなあ、腹の底から声が出るというのは、こういうことだなあ、と。僕自身、声にはコンプレックスがあるので、ついついこういう声が羨ましくなります。
 
二次会の場で奈々福さんとお話をしている際に、今回は裏方をお手伝いいただいた、紙切り師の柳家松太郎師匠から、届く声の出し方についてお話を聴きました。僕たちは、少しでも遠くに声を届かせようとして、少し上を向いて声を出したくなります。「ヤッホー!」と言うときの、あの感じですね。
ところが、師匠に言わせると、少し下向きに出すほうがいいのだとか。地面に声をぶつける感じだそうです。これは、奈々福さんも「それは基本」と仰有っていました。なるほど。言われてみると、そのほうが姿勢も安定する気がしました。
 
今回は、いわゆる芝居小屋とかステージではなく、料亭の座敷で公演いただいたのですが、「ここはこうでなくてはダメ」というようなことはおっしゃいません。あるものを、あるように使い、出来ることを出来るように準備し、その場で最高のパフォーマンスを見せてくださる。
途中で大阪弁のパートがあるのですが、大阪人の僕から見て、全然違和感のない大阪弁。大阪の落語家さんに喋ってもらって、それを何度も聴きながら練習されたそうです。普通、東京の人が大阪弁を喋ると気持ちわるいものですが、細かいイントネーションまでしっかり習得されていらっしゃる。これは、伝統芸とかそういうのと関係なく、ご本人の努力だと思うのです。
 
伝統芸、伝統工法ともに、古きものを守るだけではないことを実感しました。古きものの「いいところ」を受け継ぎ、新しい時代に合わせて、IT業界的に言うと「カスタマイズ」していく。そういうことを実感する一週間でした。我々IT業界も、以前の成功体験にしがみつかないことが大事ですよね。

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