〜社長業のオキテ〜【資本編】
斎藤由多加さんの本を読み終えました。いやあ、おもしろくて一気に読んじゃいました。
今回は資本金について。
さて、「独立して自分で起業するぞ」となった時にぶつかる最初の壁が「資本金」というミステリアスなお金です。これって何だろう?
以前は最低資本金制度というものがあり、有限会社の場合は300万円、株式会社は1,000万円という決まりがありました。なので、株式会社であればそれくらいのお金を投入しているものだ、ということが分かりました。
現在は、決まりだけで言うと1円から創業できます。もちろん事務手続き(収入印紙等)の費用がかかるので、登記するだけでも十数万円のお金が必要です。(収入印紙は、資本金の1000分の7で、15万円に満たない場合は15万円)
以前、ある人が起業されて「うちの会社の資本金は1円なんです!」と仰有っていたのですが、1円で登記できることは事実ですが、1円で会社は運営できません。自腹とか、いろいろなものでお金はどんどん出ていきます。1円登記という話は、決して1円で会社が存続できる、という話とイコールではないのですよね。
でも実際のところ、初めて独立し、そして初めて社長になる者にとっては、これから何が起こるかわからないし、計画など書けないというのが現実です。そうこおうしているうちに「誰か気前よくポーンと金を出してくれないかなぁ」なんて思うようになる。
これも分かるなあ。ビジネスが軌道に乗るまで、悶々とするものです。当社も、最初のころにいくつかのベンチャーキャピタルが来社されました。いわゆる大手VCは、ひと通り来られた気がします。
僕自身は、一社、一社にお断りさせていただきました。出資していただくなら、一緒にビジネスをやっていく人がいい、と思っていたんですよね。お金を出して、あとは数字見てますよ、みたいなのはイヤだったから。前職にもそういう人がいて、絶対イヤだったんですよね。最近でも、VCが社長を追い出す、なんてとんでもないことも起きているので、そうはしたくないですし。
でも、不思議なもので、共同出資の場合では、同じ金額を出資したのに、「ただお金を出しているだけ」の人のほうが「経営をしている人」よりも、立場がだんだんと上になってしまうのが特徴で、感謝の気持ちというのはあっという間に消滅する。社長と出資者の関係はやがて破綻することになる・・・。
そういうものなのでしょうね。お金を出して経営していない人は、日々の状況が分からないからいろいろと首を突っ込んでくる。経営しているほうからすれば、鬱陶しくて、最小限の情報しか出さなくなる。こうなると、もう関係性は破綻ですよね。どんどん割スパイラルに陥ってしまう。
これ以外にも「ひとたび会社を創業したら起きてくる色々なこと」編、「社員という名のアカの他人が入ってくると起きること」編など、興味深い話が満載です。いずれ起業したいと思う人はもちろん、ベンチャー企業に勤めている方も、ぜひ読んでいただきたい一冊です。